マーク金井blog

2024年01月12日超私的な考察  ドライバーの慣性モーメントが巨大になることのメリットとデメリットとは!?

 

今週の水曜日(1月10日)、テーラーメイドとピンの記者発表がありました。すでにご存じの人も多いかと思いますが、テーラーメイドは主力モデルのネーミングがステルスからQi10に変わり、ピンは主力モデルであるG430の兄弟モデルとしてG430 10Kです。

 

 

 

どちらのモデルにも「10」という数字が盛り込まれてますが、どちらとも10の数字が表す意味は同じです。

 

 

 

テーラーメイド、ピンとも10とは慣性モーメントの数値で1万gcm2のことを差し占めています。ちなみに、10Kというのは10キロ(1万)という意味です。

 

 

 

ゴルフルールでは慣性モーメントは5900が上限ですが、この5900というのは左右の慣性モーメントの数値。両モデルとも左右の慣性モーメントに加え、上下の慣性モーメントの数値を合わせ(足して)1万にしています。なので、ルールの上限は超えておらず、ルール適合クラブです。

 

 

 

さて、この慣性モーメント。

 

 

 

数値が大きいほどに芯を外して打った時、ヘッドがブレにくくエネルギーロスを軽減できます。慣性モーメントが大きいほどミスしても左右の曲がりが少なく、スピン量の増減が出づらく、飛距離と方向性が安定するメリットがあります。テーラーメイド、ピンともこの点を大々的にアピールしています。

 

 

 

こう書くといいことずくめのように思えますが、実は、そうとも言い切れない部分があります。

 

 

 

アナライズには世界で一番巨大なヘッドのアイアン(XLアイアン)というのがあります。普通のアイアンよりも20倍以上大きなヘッドで慣性モーメントは超巨大です。これを振ると、、、、ほぼすべての人が振りづらいとコメントします。

 

 

 

何故かと言うと、慣性モーメントが大きくなるほどにシャフトの軸線から重心の位置が遠ざかり、偏重心の度合いが増してくるからです。

 

 

 

 

慣性モーメントを巨大にするという意味では、テーラーメイドもピンも劇的な進化を遂げています。これは紛れもない事実ですが、ミスに対する強さとトレードオフに振りづらさというのが増す場合が少なからずあるのです。加えて、振りづらさはヘッドスピードの上げづらさを招く恐れもあるのです。

 

 

 

ゴルフクラブは物理で進化してきましたが、物理的な進化が必ずしも振りやすさにつながるとは限らないのです。ここがゴルフクラブを設計する上でのジレンマではないかと超私的に思っています。

 

 

 

加えて、ドライバーだけが飛び抜けて慣性モーメントが大きくなってしまうと、上手く使いこなせる人と、上手く使いこなせない人とが出てきやすくもなるのです。この続きは近々、YouTubeでじっくりと説明致します。

 

 

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2024年01月09日ゴルフの上達に欠かせない「道具」の話 第38回「最大飛距離に注目しない」

2024年がとにかくスタート。本年もアナライズblogに月に数回寄稿していきますので、よろしくお願いいたします。

 

 

さて、今年は主要人気ブランドからニュードライバーがリリースされるターン。魅惑のニューテクノロジーが登場して、購買意欲を刺激されること間違いなしです。

 

 

ウチはカーボン、ウチはフルチタン。さらに薄肉、さらに高初速。もっとミスにやさしく、もっと真っ直ぐに。新製品ですから「MORE」を誇るのは当然。ドライバーの場合はもっと!もっと!と「飛距離性能」をアピールしてきます。我々ゴルファーの興味も“何ヤード飛んだか”に集中するでしょう。

 

 

でも、今年はオルタナティブに、別角度からニュードライバーの進化を見つめてみてはいかがでしょうか?

 

 

それはどのモデルが「狙った方向に安定してボールを打ち出せるのか?」を基準にして、話題のドライバーシリーズを打ち比べてみるのです。

 

 

今はゴルフショップの試打ブースや練習場での試打会にもローンチモニターが設置されており、飛距離を数字で見ることができますが、注目すべきなのは最大飛距離ではなくきちんとフェアウェイの幅にボールが打てているかどうか。

 

 

そして、信じるべきは「最初の1球」の結果です。

 

 

どんなクラブでも打数を重ねれば、そのうちに「こう打てばいいんだ!」とコツみたいなものがわかってきて、計測上も私上最高のバカ当たりが出るものです。しかし、実際のラウンドではたった1球しか本番ショットの機会は与えられないのです。

 

 

 

私はマーク金井と新製品の試打ラウンドを何度も一緒に回った経験がありますが、マーク金井は試打であっても、同じ場所から2球続けてボールを打とうとはしませんでした。

 

 

 

それは、遊びでショートコースを回っている時も同じ。“その辺からもう一球打ってみてください”というリクエストにも「もう一周回ってきた時に打ちましょう」と、その場では断固2球打つことをしなかったのです。

 

 

 

その理由は「実際のラウンドでは、たった1球しか本番ショットの機会は与えられない」からです。

 

 

 

ゴルフはたった一つのゴルフボールを、様々なゴルフクラブで打ちながら進み、小さなホールにカップインさせていくスポーツです。

 

 

池や林、OBゾーンに打ち込んだ時、ロストボールをした時は、救済策として新たなゴルフボールを取り出してゲームを続行することができるようになっています。OBしたら“一打罰”と言われますが、本当はOBしたらそこでゲームセット。それではあまりにも可哀想だからと、救済策がゴルフのルールには盛り込まれているわけです。

 

 

罰を与えることが目的ではないのです。

 

 

試打する時も、心持ちは同じです。この一球がすべて、そう思って打った時に狙い通りの方向にボールを打ち出せる一本を購入候補にしていただきたいと思います。
(書き手/高梨祥明)

 

Youtubeチャンネル「マーク金井のオルタナゴルフ」、目指すべきゴルフのベクトル方向【素人のゴルフ】もぜひ、ご覧ください。


2024年01月04日超私的な提案  野球と同じくゴルフも「素振り」が一番効果的な練習です

 

 

先月30日に風邪を引いたこともあって、年末年始は帰省せず普段通りの生活をしておりました。大晦日、そして元旦からも神田の仕事場で過ごし、神田近辺を2万歩歩き、そして神田のスタジオで30分ほど練習しました。

 

このブログがアップされる頃には初打ちをすませて神田に戻っているかと思いますが、今年も赤羽ゴルフ倶楽部にて早朝、薄暮プレーの回数が多くなりそうです。街を歩くのもいいですが、フェアウェイを歩く方がもっと気分が良くなるからです。

 

 

そして、昨年よりも回数を増やそうと思っているのがゴルフの素振りです。ゴルフの練習というと「練習場でボールを打つ」というのが当たり前になっている人が多いですが、超私的には素振りの方が練習効果が高いと思っています。

 

 

ボールを前にすると、どうしてもボールに合わせる振り方になります。

 

 

 

対して素振りの時にはボールがありません。素振りの方がボールを気にしないでいい分だけ、フォーム作り、そしてクラブをしっかり振り込む感覚を養えるからです。

 

 

 

ただし、やみくもにボールを打つのが好ましくないのと同じく、やみくもに素振りするのも好ましくありません。素振りの時もスマホで自撮りし、自分がどんな風にクラブを振っているのかを客観的にチェックする必要があります。

 

 

 

そして、素振りが単調にならないようにする工夫も必要です。

 

 

 

超私的にはクラブを使って素振りする他に、アイスホッケーのスティック、ダワ筋スティック、フレループ、そしてTUCゴルフラボさんに試作してもらった素振り用の木製クラブを使って素振りしています。

 

これらの素振りで使っている器具は実際のクラブよりも軽いモノもあれば重いモノもありますが、重いモノは身体をしっかり使う感覚を養え、軽いモノは振る速度を上げるのに役立ちます。

 

 

 

野球のバッティングがそうであるように、ゴルフスイングにおいても素振りはスイング作り、そしてスイングスピードを上げるのに役立ちます。

 

 

 

 ゴルフクラブにはエンジン(動力)は付いてません。

 

 

 

エンジン(動力)はあくまで人間です。ドライバーの飛距離アップを本気で求めるならば、エンジンの出力を上げることが一番の近道であり、一番確実な方法です。

 

 

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ダワ筋スティックの動画、こちらにアップしてます、、、

 


2023年12月31日超私的な考察  ゴルフもスノボも上達のコツ(極意)は「乗り感」です

 

 

12月28日にスノボの初滑りをしてきました。ボードの上に乗るのは8ヶ月ぶりだったのですが、コーチからの的確なアドバイスのおかげもあって初滑りにも関わらず、昨シーズンよりも滑りに安定感が出てきました。

 

 

ずっと苦手にしているバックサイド(ヒールサイド)のターンでもボディバランスが良くなり、ターン中に板のズレが小さくなったのです。そして何よりも滑走中、「乗り感」が増したことで、ゲレンデが凸凹していてもそれが気にならず滑り下りることができるようになったのです。

 

 

 

そして、29日はゴルフの打納め。赤羽ゴルフ倶楽部にて早朝9ホールでは夜明け前、真っ暗な時間にスタートしたにも関わらず、サクッとパープレーでホールアウトできました。

 

 

 

こちらも好調の要因は「乗り感」です。

 

 

 

スコアメイクの鍵となるのがアイアン、アプローチ、そしてパッティングの距離感ですが、すべてにおいてフェースにボールが乗る感じが増したことで、距離感が安定してきています。

 

 

 

 

スノボとゴルフとでは、やっていることはまったく異なりますが、どちらも上達のコツとなるのは「乗り感」であることに間違いないと思ってます。

 

 

 

 

別言すれば、「乗り感」がないと、滑り方(スノボ)、打ち方(ゴルフ)も安定しません。

 

 

 

 

フォーム(形)が良かったとしても、「乗り感」がないと不安定な状態(上達できない状態)から抜け出すことはできないのです。

 

 

 

この「乗り感」というは言葉で説明するのは非常に難しいです。「乗り感」というのは頭で理解できるものではなくて、実際に身体で感じ取るものだからです。

 

 

 

 

スノボで乗り感を出すには板(ボード)の真上に重心が位置していることが不可欠です。重心位置が悪いと、いくら「乗り感」を意識しても「乗り感」を感じ取ることはできません。

 

 

 

対して、ゴルフの場合、「乗り感」を出すのに必要なのは打点位置とロフトを上手く利用することではないかと超私的に思っています。そして、「乗り感」を会得するのに役立つのは距離が短いアプローチの練習です。

 

 

マーク金井はテニスボールと同じぐらいの大きさがあるスポンジボールでアプローチの練習をしてますが、このボールは乗り感を会得するのに役立ちます。具体的には、これで
2~3ヤードのキャリーを打つと、フェースにボールが乗っているのか乗っていないのかを正確にチェックできます。

 

 

これからしばらくは寒さが続きます。自宅でもできるスポンジボールでのアプローチをぜひともお勧めしたいです。

 

 

 

今年もこのブログ、そしてYouTubeのご視聴ありがとうございました。それでは皆様、良い年をお迎え下さい。

 

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「乗り感」をチェックするのに役立つスポンジボールは、こちから購入できます。

http://www.analyze2005.com/store/?p=556

 

 

 


2023年12月27日ゴルフの上達に欠かせない「道具」の話 第37回「力を加えて短い距離を打つ」

新年に向けて個人的に目指すゴルフのテーマを考えてみた。それが「チカラを加えて短い距離を打つ」である。またまた訳のわからないことを言って!と思うかもしれないが、本人的には大マジメ。今年(2023年)の夏場から取り組んでいるテーマでもある。

 

 

具体的には、常に大きめの番手を持って、そのクラブのフルショットよりも短い距離を打つことができるようにすること。例えば160ヤード飛ばせる7番アイアンで150ヤード〜140ヤードを打てるようにしたいな、という感じである。

 

 

では、しっかり振ってうまいこと当たれば160ヤードくらいボールを飛ばせるアイアンで、145ヤード打つためにどうしたらいいだろうか? 真っ先に来るのが「弱めに打って」飛距離を落とすことかもしれない。少なくとも私は長いこと、そのようなイメージを持っていた。

 

 

しかし、今は145ヤード飛ばせるだけの「力を加えて」打ちたいと思っている。それが例えば10ヤードでも、7番で10ヤード分の「力を加えて」打ちたいのである。

 

 

感覚的にはパターと同じである。パターもマン振りすれば80ヤードくらいはボールを飛ばせるクラブだと思うが、それで20m、10m、5m、1m、30cm、5cmと極端に短い距離を打っている。

 

 

パターで狙った距離を打とうとする時に、フルショットを基準に「弱めに打って」飛距離を落とそうとは考えていないはずだ。5cmでも、5mでもその分の「力を加えて」打っている。緩めて距離感を調節しようとはしていないはずなのだ。

 

 

アイアンもドライバーも実は同じなのではないか?

 

 

振れば230ヤード以上飛ばせるドライバーなら150ヤード飛ばすことは簡単だ。だからこそ、どうしても力を緩めて(抜いて)距離感を調節しようとしてしまう。しかし、ドライバーもパターと同じだと考えれば、「力を加えて」150ヤード飛ばすことが普通のはず。そして、その距離の作り方のほうが打球を狙った幅に飛ばしていくことができる。そう思うようになったのだ。

 

 

マーク金井が、時にパー3でドライバーをあえて使ってみているのも、しっかり力を加えて150ヤードを打つための振り感、当て感、距離感を確認しているのではないかと思った。おそらく、パー3のティーイングエリアからパターのような感覚でドライバーを打って枠内に打ち出すことと、距離感を磨いているのであろう。

 

 

我々アマチュアは、常にもっと遠くにボールを飛ばせる道具を欲しがってしまうが、ゴルフとは大きめのクラブ(番手)さえ持てば、常に自分のさじ加減で距離を作っていけるスポーツである。ボールを遠くに飛ばそうとするのではなく、パターのように狙った方向に、狙った距離を打っていくことを磨く。ドライバーでもアイアンでも、そういうふうにできたらきっともっとスマートなゴルフができるだろう。

 

(書き手/高梨祥明)

 

Youtubeチャンネル「マーク金井のオルタナゴルフ」では、アナライズセミナーの要約版も公開しています。飛距離コントロールのヒント満載!「飛距離ダウンセミナー・要点要約版」もぜひ、ご覧ください。