マーク金井blog

2013年04月27日アマチュアにとって本当に飛ぶ3W(スプーン)とは!?

66歳にして健在!(撮影 中野義昌)

66歳にして健在!(撮影 中野義昌)

先週の男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」では、43歳の塚田好宣プロが初勝利を上げ、今週の「つるやオープン」では66歳のジャンボ尾崎プロが初日に「62」のスコアでエージシュート達成。
ゴルフは息の長いスポーツと言われてますが、このベテラン勢の活躍は誰も予想してなかったと思います。ゴルフはキャリア(経験)がモノを言いますが、昨今のトーナメントコースはどんどん距離が伸びています。昔のように、ドライバーは飛ばなくてもアプローチとパターが上手ければ優勝争いできるなんてことはありません。ドライバーの飛距離が260ヤードぐらいだとツアーで通用しません。塚田プロジャンボも、ドライバーの飛距離は楽に270ヤードを越えています。そして最近の男子ツアーでは、3Wのティショット飛距離が半端無く出ています。テーラーメイドロケットボールズ(RBZ)キャロウェイXホットの3W(スプーン)を手にする選手達の多くは、270~280ヤードぐらい飛ばしています。中には300ヤード近く飛ばすプロもいたりします。

バッグは全て最新クラブの塚田好宣プロ(撮影 中野義昌)

バッグは全て最新クラブの塚田好宣プロ(撮影 中野義昌)

さて、この3Wの飛距離。

昔と比べて飛ぶようになったのには理由が2つあります。ひとつはボールの進化。昔のバラタボールは上手く打ってもスピンが多くかかりましたが、3Wだと3500回転以上出てしまうために、上手く打っても吹き上がって飛距離をロスしてました。それが今どきのスピン系ボール(ウレタンカバー)だと、3Wで打ってもスピン量は3000回転以下に抑えられる。プロのようにドライバーのヘッドスピードが50m/s以上出ていると、スピンを減らせるだけで20ヤード以上、飛距離を伸ばせます。

もうひとつはFWの浅重心&低重心化。
ロケットボールズ(RBZ)Xホットも重心が低くて浅い。これまたスピンを減らす効果があります。男子プロのドライバーの最適スピン量は2200~2400回転でですが、3Wのティショットでもスピン量がこれぐらいになると飛距離が伸びます。ちなみに、先週の東建で谷口徹プロは、10年以上前に市販されたキャロウェイの初代スチールヘッドを使っていました。これまた低重心。スピンを減らせるFWです。Xホットとの違いはヘッドの大きさ。Xホットはヘッドが大きく、初代スチールヘッドはヘッドが小ぶり。谷口は小さいヘッドの方がイメージ通りの弾道が打ちやすいから、今となっては中古ショップで5000円以下で売られている3Wを自分の武器にしているのだと思います。

谷口徹プロが長く愛用するキャロウェイ「スチールヘッド」

谷口徹プロが長く愛用するキャロウェイ「スチールヘッド」

では、浅重心&低重心FWはアマチュアが打っても飛ぶのか?
答えはイエスでありノーです。ドライバーのヘッドスピードが楽に45m/s以上あるならばスピンを減らした方が飛距離アップを狙えます。その一方でヘッドスピードが42m/s以下の人の場合だと飛距離を伸ばすのが難しいでしょう。ヘッドスピードが遅い人の場合、スピンが減り過ぎてしまうとキャリーが出づらくなるからです。今週も週刊ゴルフダイジェスト週刊パーゴルフヨネックス i-EZONEのタイアップをお手伝いしましたが、ヘッドスピードによって最適スピン量が異なります。ヘッドスピードが遅い人の場合、キャリーを出すには浮力が必要不可欠。その浮力となるのがスピン量だからです。ヘッドスピードが遅いアマチュアの場合、浅重心&低重心の3Wを使うと浮力不足に陥り、ランは出てもキャリー不足になるのです。

では、どうすればキャリー不足を補えるのか?

答えはロフトにあります。ロフトは打ち出し角を上げる効果があるのと同時に、摩擦力を発生させます。摩擦力というのはスピンを生み出す効果があるのです。例えば、低スピン弾道がオートマチックに打てるロケットボールズXホットの場合でも、3w(ロフト15度)だとキャリー不足になりますが、5W(ロフト19度前後)ならばロフトで打ち出し角を上げられ、ロフトでスピンを増やせるのです。意外と思うかも知れませんが、ヘッドスピードが42m/s以下のアマチュアの場合でしたら、3wよりも5Wの方がキャリーが出て、一番飛ぶFWになる可能性が非常に大きいのです。

メーカー側もそれが分かっているのでしょう。テーラーメイド初代ロケットボールズにはこんな3Wもラインアップされています。

なぜか日本未発売~

なぜか日本未発売~

HLはハイロンチ(HIGH Launch = 高い打ち出し角)という意味。米国のみを発売ですが3Wのヘッドにロフトを3度増やしたFW。5Wよりもヘッドが大きいので安心感があり、3Wよりもロフトが多いのでヘッドスピードが遅くてもボールが上がります。そして長さも3Wと同じだけあるので、これまたボールの上がりやすさにつながっています。まさに日本人ゴルファー向けなのに‥‥残念なことにテーラーメイドは日本での発売を見送っています。
FWはロフトが少ない方が飛ぶと思っているアマチュアが少なからずいますが、これは大きな誤解です。ドライバーのようにティショット専用ならばともかく、FWは地面から打って飛距離を稼ぎたいクラブ。これを考えると、FWで浅重心&低重心に設計した場合、普通のアマチュアが使うならばロフトを増やすことが必要不可欠です。

ドライバーは表示ロフトよりもリアルロフト(実際のロフト)が多いのが当たり前になっています。ひょっとしたら、近い将来、ドライバー同様、FWも表示ロフト15度で、リアルロフトが17度の3Wが登場するかも知れないですね~。
んじゃ(▼▼)b

PS.FWはシャフト重量も大事!!!マーク金井は最適重量のFWを使ってもらうべくW65を設計しました。ドライバーのシャフト重量が50g台、60g台のゴルファーにぴったりです~。

ロケットボールズFWにぴったりのウッド用シャフト「W65」 好評の専用カラーはこちらから。

【過去記事参照】
「FWが苦手なゴルファーはシャフト重量に注目すべし!!」

「理想のFW用シャフト、ドライバー用シャフトとは!?」

「初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみた‥‥」

「初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみた 後編」


2013年04月26日アマチュアにとって本当にやさしいアイアンとは!?

先週の男子ツアー開幕戦「東建ホームメイドカップ」では、プロ入り20年目の塚田好宣プロが、悲願のツアー初勝利を上げました。彼は日本とアメリカの大学で学んだというユニークな経歴の持ち主ですが、使っているクラブもかなりユニーク。ドライバー、アイアンともピンを使っているが、アイアンはアマチュア向きの「ピン G25」。グースネックでソール幅も広く深いキャビティ形状。GDOが主宰する『HOT LIST JAPAN 2013』でゴールド賞を受賞した、典型的なやさしいクラブを使っています。

今回はアイアンの「やさしさ」についてがテーマです。

難しいアイアンとやさしいアイアンの違いはいくつかありますが、まず誰でも見分けがつくのがヘッドサイズでしょう。ヘッドが小ぶりなマッスルバックを見て、やさしいと感じるゴルファーはまずいません。対して、ピンG25に代表されるように大型ヘッドを見ると、ほとんどのゴルファーはやさしさを感じます。

幅広ソール&ハイバンスが特徴~

幅広ソール&ハイバンスが特徴~

では、大型ヘッドはどんなメリットがあるのか?

ドライバー同様、アイアンの場合も大きいと見た目に安心感が増してきます。物理的な側面で言うと、ヘッドが大きいほどキャビティ形状になって(その結果、周辺重量配分設計になって)、慣性モーメントの数値が大きくなります。慣性モーメントとはヘッドのブレにくさを数値化したもので、この数値が大きいほど芯を外して打った時にヘッドがブレにくい。要するに、スイートエリアが広くなる分だけミスに対して強くなります。マッスルバックで芯を外したらグリーン手前のバンカーに入るような場合、大型ヘッドのキャビティならばグリーン手前に乗ってくれます。加えて、ヘッドが大きくなるとそれに比例して重心距離が長くなり、重心距離が長くなると飛距離性能がアップします。ヘッドの操作性は悪くなりますが、シャンクのミスも軽減できます。

ソール幅が広くなるほど低重心~

ソール幅が広くなるほど低重心~

アイアンのやさしさをチェックする上では、ソールの幅とソール形状も見逃せないポイントです。ソールの幅は広いほど「やさしさ」がアップします。幅広ソールのメリットは2つあって、ひとつは幅が広いほどダフりに強く、見た目の安心感が増します。もうひとつはソール幅が広くなるとソール側の重量が増します(幅が狭いアイアンに比べて)。結果、低重心になって、トップ気味に当たっても飛距離をロスする度合いが軽減できる。低重心になるとグリーンに止まる球は打ちづらくなりますが、低スピン弾道が打ちやすい分だけ飛距離を出しやすく、風に強い球を打ちやすいメリットもあります。

幅広ソールはお尻がポッチャリしてて見た目は格好良くありません(笑)。ですが、クラブがミスをカバーしてくれます。今日、リンクスのSSアイアンを使って千葉市民を9ホールラウンドしてきましたが、幅広ソールのアイアンだと、フェアウェイのコンディションが悪い時でも余計なプレッシャーがかかりません。きっちりヘッドを入れなくても、ちゃんと距離が出てくれるからです。
アイアンのやさしさで、もうひとつ欠かせない要素がソール形状です。ウエッジ同様、アイアンもバンス角が強いほどミスに強くなります。バンス角はソール角とも言われてますが、バンスが強くなるほどソールが地面に跳ね上がります。バンス角が強いアイアンは、硬い地面や練習場のような人工芝ではソールが跳ね過ぎてハーフトップが出やすくなりますが、芝の上から打つ時はダフってもソールが滑ってくれ、飛距離をロスしません。と言うか手前からダフり気味にヘッドを入れてやるとナイスショットと同じぐらい距離が出ます。

対して、バンス角が少ないアイアン、バンス角がゼロなアイアンは硬い地面や人工芝で打つ時には抜けが良くて打ちやすいですが、芝の上からだとダフってしまうとリーディングエッジが刺さり、ボールを上手く捕えることができません。飛距離をロスしやすくなります。

人工芝からの打ちやすさを重視しているのかどうか分かりませんが、ゼクシオをはじめ日本メーカーのやさしいアイアンは、幅広ソールですがバンス角はゼロに近いモデルが大半です。バンス角をゼロに近づけると、ゴルフショップの店内でアドレスした時(硬い地面に置いた時)ソールの座りが良くなることも考慮しているのでしょう。

対して、G25をはじめ米国メーカーのアイアンの多くはバンス角がちゃんとついています。打ち比べるとバンス角の差は歴然で、ゼクシオG25と打ち比べると明らかにG25の方がダフった時には距離が出ます。
マーク金井は昨年、リンクスのSSアイアンを設計しました。その時に一番こだわったのがバンス角。アドレスしたらリーディングエッジが少し浮くぐらいバンスを付けました。練習場の人工芝の打ちやすさを犠牲にし、硬い地面でも構えやすさを犠牲にしてでも、コースに出た時にスコアが良くなるアイアンを作りたかったからです。

塚田プロはプロの中では一番やさしいアイアンを使ってツアー初勝利を手にしました。ボクも塚田プロを見習ってやさしいアイアンを使って、今年もベストスコア更新したいと思っています。
んじゃ(▼▼)b


2013年04月25日ゴルフの電子書籍に未来はあるのか!?

本が売れないと言われて何年も経ちますが、永江さんのブログによると、売れない本当の原因はブックオフやアマゾンのマーケットプレイスによるものだと分析されています。ちょっと長いですが引用させていただくと、
出版不況はAmazonマーケットプレイスのせいかもしれない

Amazonのトップ画面

Amazonのトップ画面

いままでのデータではだいたい新刊でも1ヶ月を超えると中古が出回ってくる。そうすると一気に中古にシフトされ、書評を見ての中古本の購入率は新刊でも40%、数年たったものでは70?80%(こちらの実測値)。本によってはブログでの紹介から数十冊売れても全部中古というのもあった。冊数で言うと、Amazonで流通している本のおそらく6割以上は中古と言いきってもいいのでは? (日本のAmazonの売り上げは約4000億円で半分は書籍という風に言われているらしいが詳細は不明なのでどれくらいのマーケットかは全くわからない)
ブックオフで中古本を探すのは大変だが、Amazonならすぐに探せるし、大半はクリーニングされている。人よりも早く読みたい新刊以外は、圧倒的に中古が市場をぐるぐる回る。新刊が出てもしばらく待てば中古が出回るから待つ。よって新刊は売れない。出版社はご飯が食べられないという展開になっている。
永江さんのブログ引用)

確かに、ボクも欲しい本があると真っ先にAmazonにアクセスし、中古本を探します。マーク金井はゴルフクラブやデジタルギアも中古が大好きですが、本もセコンドハンドを積極的に買います。値段が安いし、今どきの中古本はクリーニングされていて綺麗だからです。

そして、永江さんはブログでこう続けます。

八方ふさがりの出版業界ではあるが、起死回生の一手がある。それが電子書籍の中古相場に合わせた値下げである。出版業界が分かってないのが、紙の本の競合が電子書籍だと思い込んでいることにある。「紙にこだわるので電子書籍に移行しない」という出版社が聞いたら涙するようような人もいるが、その人だって中古を買ってるのだ!!

紙の本の競合は、電子書籍では無くて、中古の本、特にAmazonのマーケットプレイスなんですよ!そう。日本の電子書籍の価格は、Amazonでさえ、出版社側に決定権限がある(という話)。現在の電子書籍と新品と中古の本の価格は、Amazonだと比較できるようになっている。

例えば、小説ののぼうの城(小学館文庫)。新刊文庫480円 中古191円 Kindle473円※ただし中古はだいたい250円の送料がかかるから実質440円!!

これじゃ誰だって電子版買わずに中古買うわな・・ アホか
永江さんのブログ引用)

かなり厳しい論調ですが、まったくその通り。電子書籍の方が中古本よりも高い値段設定したら‥‥誰だってそっちに行くでしょう。この値段でも電子書籍を買うのは海外に住む日本人、飛行機に沢山の書籍を持ち込みたい日本ぐらいでしょう~。そして永江さんはこう提案しています。

出版社の馬鹿経営陣は、「電子版の価格を下げたら紙の本が売れなくなって困る」ということで下げないわけだが、全く逆です。一気に中古と競合する価格まで下げればいいのだ。中古は送料がかかるから、それを計算に入れて価格にすれば、それほど安くしなくてもいいわけだ。同等で無くて少し高いくらいでも、マーケットプレイスでは到着に数日はかかるから、すぐに読みたい人は電子版を買ってくれる。中古本の価格がさらに下がって利幅がなくなれば、せどりの皆さんは転職せざるを得ない。電子版だって売り上げは出版社に入る。印税だって著者に入る。
永江さんのブログ引用)

http://www.landerblue.co.jp/blog/?p=4606
これはすでに市販されている本に対する提言ですが、ボクは電子書籍に対してもうひとつの考え方を市場に提案しています。それはニッチなマイクロコンテンツ。カタカナの羅列ですが、要するに紙の本にするにはネタの分量が少なく、紙の本にするためには読者が少ないコンテンツです。マーク金井はすでに、アマゾンで電子書籍を8冊出していますが、いずれも価格は162円

gorufuenngeki一生役立つ

 

衝動買いしやすい価格に設定しています。そしてもうひとつこだわっているのがコンテンツのオリジナリティ。ほとんどの電子書籍は紙の本を電子化しています。ところがマーク金井は逆張り。作ったコンテンツ(原稿)はまず最初に電子版で発売。情報としての鮮度が高い状態でユーザーに提供しているのです。

そして、電子版で売れ行き実績があるコンテンツを、今度は紙の本として出そうとしています(昨日、電子書籍が紙の本になるのが決定しました)。

電子書籍の普及率はまだまだ数パーセント。紙の本で1万部売れる場合、電子書籍だと500~1000部ぐらいというのが業界の常識です。逆に言うと、電子で2000部以上売れた場合、紙の本にすると2万部以上販売できる可能性が非常に高いのです。

先週、ボクは今一番人気があるテーラーメイドのFW、ロケットボールズの達人的使い方というコンテンツを書き上げました。これまた典型的なマイクロコンテンツ。価格はもちろん150~160円です~。
んじゃ(▼▼)b
PS.iPhone&アンドロイドスマホ用のケースが再入荷しました。ケースから出し入れするだけで液晶画面が綺麗になるスグレモノ。革が分厚いので、乗用カートのプレー時に大事なiPhone、スマホを保護してくれます~。

マーク金井がエルク革の質感に惚れこんで作りました~

マーク金井がエルク革の質感に惚れこんで作りました~


2013年04月24日ポケット距離計測器、ユピテルの達人的な使い方!!

今週発売の週刊ゴルフダイジェストから、マーク金井の衝動買い日記「新・買わずに入られない」が始まりました。以前は中古クラブを買い漁るのがメインでしたが、今回はクラブではなくてデジ物がメイン。週刊アスキーでやりそうな連載を週刊ゴルフダイジェストで始めちゃいました(笑)

その記念すべき連載1回目に取り上げたデジタル機器がこれっ!!

サイズはiPhone5とほぼ同じ~

サイズはiPhone5とほぼ同じ~

ユピテルのスイングトレーナー「GST-3 Pocket」

スイングトレーナーというネーミングは何とも微妙ですが、要するにヘッドスピードとボール初速の計測器。クルマのスピード違反で使うレーダー探知機同様、このユピテルもドップラー効果によってスピード(ヘッドスピードとボール初速)を計測します。最近、男子ツアーのゴルフ中継では「トラックマン」という非常に高価な弾道計測器が登場してますが、これもまた計測方法はドップラー効果で弾道計測しています。トラックマンが500万円以上するのに比べると、このGST-3 Pocketは1万5000円前後。値段が300倍以上違いますが、機械自体がやってることはほぼ同じです。気になる精度についても、トラックマンの300分の1なんてことはありません。ボール初速はトラックマンよりも少し甘めに出ますが、こと飛距離(正確には推定飛距離)はトラックマンとほぼ同等の精度があります。

アナライズには写真画像を用いた弾道計測器が2台あります。1台は初代のベクター。もう1台はフライトビジョン。どちらも70万円以上する高価な計測器ですが、これらと比べてもユピテルの飛距離精度はまったく見劣りしません。例えば、ドライバーで計測すると、フライトビジョンで250ヤードならば、ユピテルでも250ヤード±2ヤード。値段は「大人のおもちゃ」ぐらいなのに、その性能たるや‥‥メーカーがクラブ開発に使えるレベルです。それでいて手軽で、スイッチポンですぐに使える。高価な弾道計測がパソコンだとしたら、ユピテルはiPadってな感じで使えます。

さて、このユピテル

地面にポンと置くだけで、ヘッドスピード、ボール初速、ミート率、そして飛距離(正確には推定飛距離)が瞬時に測れますが、ただチェックするだけではもったい。数値の見方にこだわって使えば、ゴルファーにとってかなり強力な武器になります。

例えば、飛ぶドライバーヘッドの見つけ方?

飛距離が出たら飛ぶドライバーだと思われがちですが、ヘッドのポテンシャルをチェックする時、マーク金井がこだわっているのが芯で捕らえた時のミート率。ミート率とは‥‥
ボール初速÷ヘッドスピード
例えば、ヘッドスピード40m/sでボール初速が60m/sが出たとしましょう。このドライバーのミート率は1.5です。ユピテルはボール初速が甘いのでミート率が1.5を超えることもありますが、この数値が高いほどヘッドのポテンシャルが高い、すなはち飛ぶドライバーヘッド。ヘッドスピードはシャフトが軽い方が上がりますが、軽いシャフトはミート率が上がるとは限らないからです。マーク金井は2012年モデルのドライバーをほとんど打ってますが、その中でミート率が特に高かったのがタイトリストのVG3とテーラーメイドのグローレ。どちらも新潟の遠藤製作所で作られたヘッドですが、ルール適合の中ではフェースの弾きがトップクラスです。
次に、ドライバーが苦手な人ならば、芯を外した時の飛距離、ミスショットをした時の飛距離をチェックして下さい。ミスした時の飛距離、すなわち最低飛距離が出るドライバーというのは、コースに出た時に威力を発揮してくれるからです。アマチュアの多くは会心の1打、奇跡の1発が出た時の飛距離を見るのには熱心ですが、ミスショット時の飛距離についてはほとんど関心がありません。練習場でボールを打っている人を見ても、ナイスショットは最後までボールを追いかけますが、ミスショットした時はボールを全然追いません。気持ちは分かりますが、コースに出た時はミスショットを消し去ることはできない。ミスに強いドライバーを選ぶ、ミスした時に飛距離が出やすいドライバーを選ぶと、ドライバーのフェアウェイ生存率が上がり、ひいてはスコアアップにつながります。ヘッドスピードが35~43m/sぐらいで打った時、マーク金井が試打してミスに一番強かったのはヨネックスの白黒ツートン、i-EZONEです。

ユピテルはシャフトフィッティングにも使えます。シャフトを試打する時にチェックしたいのはヘッドスピードの出方とミート率。5球ぐらい続けて打ってヘッドスピードが変わらないのが理想的なシャフトです。自分に合ったシャフトはタイミングが取りやすい。タイミングが合えばヘッドスピードが一定になりやすいからです。逆に言うと、打つ度にヘッドスピードが変わってしまうシャフトというのは、たとえ飛距離が出たとしても、コースに出た時には扱いづらいシャフトになる危険性が高いです。そしてミート率が高く出るシャフトというのは、芯で捕らえやすいことを証明しています。ヘッドスピード、ゴルファーの腕前によっても異なりますが、ボクの場合、ミート率が1.5~1.55ぐらい出るシャフトはミート率が良いシャフトだとジャッジしています。
ゴルフショップの試打スペースには、必ずといっていいほど高額な弾道計測器が完備していますが、ボクはユピテルを持参して試打することを強くお勧めします。どこの店でも、、いつも同じ計測器でチェックすれば、客観的にクラブの性能、自分との相性をチェックできるからです。幸いなことにこのポケットタイプのユピテルはiPhoneと同じぐらいの大きさ。

iPhone5よりも20g軽量~

iPhone5よりも20g軽量~

 

重さは110gと軽量。鞄の中に入れても邪魔になりません。練習場やコースでもユピテルを使うと、アイアンやアプローチの距離感を磨けます。
ポケットタイプのユピテルは1万5000円前後。世の中、安いモノだからけですが、トラックマンに比べると、この値段は安すぎますね~(笑)
んじゃ(▼▼)b

 

PS.アナライズで作ったiPhoneケース。ナスカン付きのタイプはオーダーメイドしたかのようにユピテルがすっきり収まります~。

出し入れすると液晶画面が綺麗になります~

出し入れすると液晶画面が綺麗になります~

 


2013年04月23日FWが苦手なゴルファーはシャフト重量に注目すべし!!

4月20日のブログでも書きましたが、FWの性能を上手く引き出すにはシャフトの重量が重要な役割を果たしています。飛ぶと評判のテーラーメイドのロケットボールズ(RBZ)に代表されるように、市販FWの多くは純正シャフトが50g前後。これはドライバーのシャフト重量と同じか、ドライバーよりも軽いぐらいです。ドライバーをリシャフトしている人やカスタムシャフトを装着している人の場合、FWよりもドライバーの方がシャフトが重かったりします。

ロケットボールズの日本仕様純正の重量

ロケットボールズの日本仕様純正の重量

極端ですが、R1の並行(純正シャフト)だと完全に逆転します

極端ですが、R1の並行(純正シャフト)だと完全に3Wと1Wの重量が逆転します

 

メーカーがFWに軽いシャフトを装着する理由はいつくかありますが、一番の理由は飛距離重視だからでしょう。シャフトを軽くすれば、軽い分だけヘッドスピードが上がり、タイミングが合って当たれば飛距離が伸びます。FWを打った時、いかに奇跡の1発が出るかどうかにこだわっている可能性が高いです。

しかし、軽いシャフトが装着されたFWにはデメリットも多々あります。例えば、ドライバーに60gのシャフトが装着されている場合、FWのシャフトが50gだと重量フローが逆転します。FWはドライバーよりも2インチ以上短いのに、FWのシャフトがドライバーよりも軽いと‥‥、手打ちを誘発したり、ハーフトップやチョロのミスが出やすくなるんです。FWにドライバーよりも10g以上軽いシャフトが装着されていると、ミート率が悪くなるだけでなく、スイングにも悪影響が出ます。キャロウェイのXホットにしても、純正のRシャフトの重量は約44g(メーカー値)。いくらアマチュア向けと行ってもこれは軽過ぎる。300ヤード飛ぶFWが上手く打てない人の場合、純正シャフトの軽さが災いしている可能性が非常に高いです。

ドライバーは45インチ以上。対して3Wは43インチ前後。2インチ以上長さが異なれば、ドライバーよりも5~10g重くした方が重さの流れが良くなります。ただし、ドライバーで70g以上ならばドライバーとFWは同じ重量でも大丈夫です。70g以上のシャフトが装着されているドライバーの多くは長尺ではありません。45インチ以下です。長さの差が大きく出にくいし、シャフト自体も手元の重量感があって、違和感が大きく出ないからです。

アナライズではドライバーよりも先にFW用のシャフトを作りました。ドライバーには重量の選択肢がたくさんあるのに、FW用ではアマチュアにちょうどいい重量帯のシャフトが少ない。ゴルファーにとって本当に必要なシャフトが少ないから‥‥マーク金井はドライバーよりも先にFW用シャフト「W65」を作ったのです。

シャフトは硬さと調子も大事です。

FWに限りませんが、硬さが合っていないと上手くボールを捕えることができません。硬過ぎると力んで軌道がアウトサイド・インになったり、打ち急ぎのミスが出やすくなります。対して、軟らか過ぎるとシャープなスイングがしづらくなります。FW用シャフトに関して言えば、FWが苦手にはボクは少し軟らかいシャフトを勧めています。試打してみてちょっと軟らかいと感じるぐらいがちょうどいい。その方が、トップからダウンの切り返しでしなりを感じやすく、タイミングが取りやすいからです。そしてFWが得意になって、FWでボールが上がり過ぎて困るようになれば‥‥シャフトを硬くしていけばよいのです。シャフトの硬さはヘッドスピードに合せた方が良いと言われてますが、ボクは技量に合わせた方が良いと思ってます。スイングが不安定な中級者ぐらいまでは軟らかく、スイングがしっかりしている人は硬めのシャフトを使った方が、スイングとのマッチングが良いでしょう。

調子については、

手首のコックがほどけやすい人、
アウトサイド・インの軌道になっている人
切り返しで打ち急ぐ人
体を使ってしっかり振り抜けない人

要するに大抵のアマチュアゴルファーは、手元側のしなりを感じ取りやすいシャフトを無条件にお勧めします。手元がしなると頼りないと感じる人が少なくないですが、それがスイングを良くするのです。手元側がしなる、いわゆる手元調子のシャフトは、トップからダウンの切り返しで「しなり」を感じ取りやすく、ヘッドの重みを感じ取れます。結果、打ち急ぎのミスを防げますし、アウトサイド・インの軌道にもなりづらくなる。シャフトがタメを作ってくれるので、手首のコックがほどけづらくなるメリットもあるのです。

手元調子のシャフトは先端側が少し硬くなるので、ヘッドの入射角が安定します。ドライバーと違ってFWは地面から打つクラブ。ヘッドの入射角が安定するシャフトの方がミート率が良くなります。

マーク金井はこのW65を開発する時に使ったのがテーラーメイドの初代ロケットボールズ。手元のしなり感、そしてヘッドの入射角が安定するようにシャフトを設計しました。純正シャフトに比べると約20g重いです、ドライバーシャフトが50~60gの人にちょうどマッチするよに重量を設定しました。
たかがシャフト、されどシャフト。
ツアープロを引き合いに出すまでもありませんが、今どきのクラブはリシャフトした方が性能をフルに引き出せます。特にFWの純正シャフトが50g前後と軽い場合、60g台のシャフトを装着すると「これって同じクラブなの?」って感じるぐらい打ちやすく、そして振り心地の違いを体感できます。
んじゃ(▼▼)b

別のクラブと実感するには色もマッチしているW65限定カラーを↓

過去記事参照

「理想のFW用シャフト、ドライバー用シャフトとは!?」

「初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみた‥‥」

「初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみた 後編」