マーク金井blog

2013年04月07日スイングのウソ、ホント その6 「緩みのないトップを作るコツとは‥‥」」

前回のブログ(4月5日)で、手首をコックする動きについて説明しました。

手首を正しくコックするコツは「作用と反作用」の力を上手く利用すること。左手を下げ、その反動でヘッドを持ち上げることです。

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両手の間に支点をイメージしたら、左手を下げて右手を引き上げる。左右の手を逆方向に使うことで手首をコックし、その反動でヘッドを持ち上げていく。実際のテークバックでも、こういう風に左手と右手が逆方向に動かすのが好ましい手首のコックです。これがちゃんとできると手首が正しくコックされたことになり、クラブヘッドをプレーンに沿って上げやすくなるのです。

左手を下げて(グリップエンドを下げて)ヘッドを持ち上げることができると、左肩の入りが良くなりますし、背中の筋肉を効率良く使うこともできます。テークバックで左手が下がってくれば、それにつられて左肩が下がり、左の肩胛骨もダイナミックに動きます。肩は横に回すものだと思っている人が少なくありませんが、実は、左肩は下がる感じで動いた方が肩の入りが良くなるのです。

本題に入りましょう。今回はテークバックの終着駅であり、ダウンスイングの始発駅でもあるトップについてお話します。トップの形(型)を評価するポイントは2つです。ひとつは、体に緩みを作らないこと。力み過ぎるのもダメでですが、「サウナに入ってリラックスしている」ような緩んだトップも好ましくありません。緩んだ状態ではパワーを蓄積できないし、体をちゃんと動かすこともできないからです。伸ばすべき関節は伸ばし、曲げるべき関節は必要なだけ曲げておく。具体的に言うと、トップでは左ひじの関節は突っ張るぐらい伸ばしておき、右ひじの関節は90度前後曲げます。
トップの形
手首は左手首は親指側に曲げ(左手親指を立てる感じ)、右手首はボールを投げるような感じで甲側に曲げる。足首、ひざ、股関節、背骨‥‥これらの関節はアドレス時に作った角度(前傾角度)をキープするように使って下さい。伸ばす関節と曲げる関節を意識すると、緩みを取り除けるはずです。
次にトップの形。これは。これはクラブのポジションとフェースの向き。あそいてアドレスで作った前傾角度がキープできているかどうかがポイントになります。

クラブのポジションは‥‥
シャフトプレーンに対して「シャフトが平行」~飛球線に対して「シャフトが平行」までの間に収まっているのが好ましい。飛球線に対してシャフトがやや左に向いた状態を、「レイドオフ」と呼ばれていますが、これが今どきのクラブと非常に相性が良いです。レイドオフにクラブが収まっていれば、余計な動きを入れることなくダウンスイングを開始できます。加えて、今どきのクラブは重心距離が長い。重心距離が長いクラブはレイドオフになっていた方がフェースの向きをコントロールしやすく、インパクトの再現性も高くなるからです。
トップでシャフトが飛球線よりも右を向く‥‥いわゆるシャフトクロスは好ましい形ではありません。シャフトのクロスになるほど、トップで手首が誤った方向に曲がり、左ひじも緩んで大きく曲がります。そしてダウンスイングではプレーンに沿ってクラブが下りづらくなる。今どきのクラブ(重心距離が長いクラブ)では、シャフトクロスになるほど振り遅れのミスが出やすくなります。

横峰さくらプロはシャフトクロスでも素晴らしいショットを放ちますが、これは類い希なる才能と努力のなせる技です。普通のアマチュアが彼女のようなトップを作ったら‥‥ボールをコントロールするのが非常に難しくなるし、ナイスショットの確率を上げるためには、とてつもない練習量が必要になるでしょう。正しいトップの形がナイスショットを完全保証するわけではありませんが、正しくないトップの形からナイスショットを打つのは、困難な作業になるのを避けられません。

フェースの向きに関しては、スクエア(フェースが斜め45度)、もしくはシャット(フェースが空を向く)。これが好ましい形です。テークバックでフェースが開く度合いが少ない方が、フェースの向きをコントロールしやすく、インパクトの再現性も高まるからです。加えて今どきのクラブ(重心距離が長いクラブ)は、フェースをシャットに使った方が扱いやすくなります。

オープンフェース(フェースが正面を向く)のが好ましくないのは、トップで左手首に緩みが出やすくなるからです。加えて、今どきのクラブ(重心距離が長いクラブ)を使った場合、オープンフェースだとフェースが開いたままインパクトを迎えやすくなり、右へのミスや、それを嫌がって引っかけのミスが出やすくなります。

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レイドオフのトップ、そしてシャット(スクエア)フェース。

この2つの型を体に覚え込ませるには、感覚やフィーリングに頼るのは禁物です。また、ボールをたくさん打っても身に付きません。レイドオフに上げているつもり、シャットにしているつもり‥‥。つもりのままでは、一生懸命練習しても形(型)はなんら変わらないです。
おっと、今日は東京ドームでプロ野球のデーゲーム観戦!!!!!
正しいトップの形(型)を身に付ける方法は日を改めてじっくり説明します。。それが待ちきれない人は、マーク金井が書いた電子書籍「一生役立つゴルフ上達法」をお買い上げ下さい。162円でじっくり説明しています~。

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「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント  その1」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その2」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その3」

「スイングのウソ、ホント その4 「正しいコックとは?」」

スイングのウソ、ホント その5 「作用と反作用と意識すると正しくコックできる!!」

 


2013年04月06日高性能コンデジ Canon Power Shot G15を衝動買い~

マーク金井のフェースブックでもアップしましたが、3日ほど前に中古ショップの「じゃんぱら」にて、キャノンの高機能コンデジ、パワーショットG15をお買い上げ。秋葉原にはメジャーな中古ショップが2つあって、西の横綱が「ソフマップ」、東の横綱が「じゃんぱら」ソフマップはポイントカードとかがちゃんとあって、今はビックカメラ傘下のショップ。大型家電的な雰囲気があります。対して、じゃんぱらは全国展開してますがポイントカードはありません。ソフマップに比べると、マニアックなパソコンショップ的な雰囲気を醸し出しています。じゃんぱらはポイントカードがない分だけ、ソフマップよりも販売価格が少し安めに設定されていることが多いです。

キャノンのコンデジはクラブメーカーのピン同様、2つのブランドをラインアップしています。ピンの場合はGシリーズがやさしい方のモデルで、キャノンの場合はやさしい(手軽)方がIXYシリーズ。ピンのiシリーズに相当するのが、キャノンではパワーショットシリーズです。ボクはパワーショットのS100を所有しているにもかかわらず、新たに上位モデルのG15を買っちゃいました。

ピンのドライバー同様、表面はマットブラック仕上げ~。

ピンのドライバー同様、表面はマットブラック仕上げ~。

Sシリーズに比べるとGシリーズは「これってコンデジなの?」ってぐらいサイズが大きい。体積的にはS100の2倍以上あるでしょう。ポケットに入れて持ち歩けるサイズじゃありません。デジタル一眼レフよりは小ぶりですが、携帯性は良くありません。持ち運びには不便です。

なんで、わざわざ中途半端なサイズのデジカメを出したの?

って突っ込みを入れたくなるんですが、衝動買いを後押ししたのがレンズと操作性。CCDのサイズは1インチと大きくて、レンズが非常に明るい。解放値でF1.8。

広角だけでなく望遠にしてもレンズが明るい~。

広角だけでなく望遠にしてもレンズが明るい~。

 

これは一眼レフなみの明るさ。室内でストロボを使わない(使いたくない)人間にとっては非常にありがたいんですよ、これが‥‥

接写は1センチ

1センチまで寄って撮影。ピントもシャープ~。

1センチまで寄って撮影。ピントもシャープ~。

まで寄れます。カメラというと望遠機能を求める人が圧倒的に多いですが(メーカー側も望遠機能をアピールしがち)、ゴルフクラブを取るためにデジカメを使う人間にとっては、望遠よりもどれだけ被写体に寄って撮影できるかが肝です。

そして買い物心をくすぐったのが、露出補正ダイヤル。今どきのデジカメには露出補正が付いているのが当たり前ですが、その多くはツータッチ。機能ボタンを押してからダイヤルを回すことで露出調整ができます。それがこのG15ときたら‥‥

電源ボタンの左が露出ダイヤル。直感的に操作のがGood~。

電源ボタンの左が露出ダイヤル。直感的に操作のがGood~。

 

単独ダイヤルがシャッターボタンのすぐ横にドカンとあって、右手の親指でワンアクションで露出補正できます。ゴルフクラブもゴルフボールも微妙な露出補正をしないとちゃんと撮影できません。この露出ダイヤルだけでG15は所有欲を満足させてくれました(笑)ゴルフクラブもデジカメもいろんな付加機能が付いてますが‥‥この露出ダイヤルは、ピンのアイアンに例えるならば、ハイバウンス。どちらも、ユーザーのことを本当に「分かってらっしゃる」機能です。

昨日姫路に出張し、クラブメーカーのリンクスにて新しいウエッジのデザインミーティングをした時にG15をデビューさせました。こんな写真もライティングなしで簡単に撮れました。ボケ具合も絶妙~。サイズが中途半端に大きいのも、使っていると妙に手に馴染んで使い勝手がよろしい(笑)。

自然光で撮影。ボケ具合もいい感じです~。

自然光で撮影。ボケ具合もいい感じです~。

G15がここまで使い勝手が良くなると、もうS100の出番がありません。クラブもデジモノも使わないのが分かったら、トレード(即売却)するのがボクの流儀。買い取り予想価格は5000円~8000円。さて、いくらで売れるのか大いに楽しみです~。
んじゃ(▼▼)b


2013年04月05日スイングのウソ、ホント その5 「作用と反作用と意識すると正しくコックできる!!」

前回のブログ(4月1日)で、手首のコックの重要性について説明しました。プロの中には「コックは自然にできる」「コック意識しなくていい」と教える人もいます。確かに意識しなくてもできる人はいますが、アマチュアのスイングを分析すると、そんな人はほんの一握りです。アマチュアゴルファー全体の2割以下でしょう。8割近くの人は誤ったコックをしているか、もしくは手首のコックが不完全なままでテークバックしています。

ツアープロのスイングを見ていると、ほとんどのプレーヤーはハーフバック付近で手首をコックが入っています。手首をコックすることでヘッドをプレーンに沿って上げています。逆に言うと、手首をコックした方がプレーンに沿ってヘッドを上げていきやすいのです。

では、正しい手首のコックはどんな動きなのか?

前回のブログ(4月1日)で、こんなドリルを紹介しました。ボールの入ったカゴ等の取っ手部分にクラブヘッドを引っかけたら、クラブでカゴを持ち上げていきましょう。

持ち上げる前の画像

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ゴルフの竪琴で、かごを持ち上げる。アドレス時

これで、左手も右手も持ち上げることでヘッドを持ち上げている人は‥‥

悪い持ち上げの画像

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ゴルフスイングでも手首のコックでヘッドを上げる感覚が乏しく、そして手首のコックを間違えている可能性が大きい。こういう風に両手を引き上げることでカゴを持ち上げている人は、作用と反作用を使う感覚が乏しいからです。

では、どんな風に持ち上げるのが正しいのか? 正解は‥‥

正しい持ち上げの画像

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左手を下げることで、ヘッドが上がっている

こんな風に、左手を下げ、その反動でヘッドを持ち上げることです。両手の間に支点をイメージしたら、左手を下げて、右手を引き上げる。左右の手を逆方向に使うことで手首をコックし、そしてヘッドを持ち上げていく。左手を下げた反動でヘッドを持ち上げる感じになると、作用と反作用の力でヘッドを持ち上げることができます。

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大切なとこなんで、少しアップで!左手を低くすると、その反動でヘッドが上がっていきます!

実際のテークバックでも、こういう風に左手と右手が逆方向に動かすのが好ましい動きです。これがちゃんとできると手首を正しくコックできますし、クラブヘッドをプレーンに沿って上げやすくなるのです。

手首を上手くコックできない人、ノーコックでクラブを上げようとしている人の場合、手元に対してヘッドが低い状態になっている時間が長くなります。実はこれは‥‥ヘッドをインサイドに引き過ぎることにもつながってくるのです。

左手を下げて(グリップエンドを下げて)ヘッドを持ち上げることができると、左肩の入りが良くなりますし、背中の筋肉を効率良く使うこともできます。テークバックで左手が下がってくれば、それにつられて左肩が下がり、左の肩胛骨もダイナミックに動きます。肩は横に回すものだと思って入る人が少なくありませんが、実は、左肩は下がる感じで動いた方が肩の入りが良くなるのです。

右サイドの動きについても、手首のコックで右手が引き上るのに連動して、右肩も上げていきましょう。これができると右肩の動きもスムーズになってきます。肩は両肩を一体にして動かそうとするよりも、左右の肩をそれぞれ独立させて動かした方が、動きがスムーズになるだけでなく関節の可動域も大きくなってくるのです。

手首のコックというと手首だけを意識しがちですが、実は肩の動きにも連動してくるのです。支点となるのは両手の間。左手(グリップエンド)を下げて、その反動で右手とヘッドを引き上げていく。まずはボールの入ったカゴで練習して下さい。左手を浮かせて持ち上げるのではなく、左手を下げた反動でカゴをヒョイと持ち上げる。マーク金井ゴルフの竪琴でこの練習をしています。竪琴だと、クラブを持った時よりも両手の間隔が広がります。より明確に右手と左手の役割が分かるからです。手首のコックについてはボールを打つよりも、今回紹介したドリルをやった方が、はるかに短時間で正しい動きをマスターできます。

んじゃ(▼▼)b

関連記事リンクはコチラから↓

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント  その1」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その2」

「誰も教えないゴルフスイングのウソ、ホント その3」

「スイングのウソ、ホント その4 「正しいコックとは?」」

ゴルフの竪琴の詳細は↓

ゴルフの竪琴

 

 

 


2013年04月04日ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥その2

「ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥」←はコチラから

GDOのホットリストでもゴールドに選ばれたピンのG25。すでにGDOで試打レビューをアップしてますが、このドライバーの特徴はヘッドが「重い」だけではありません。重心距離が44ミリ前後と非常に長く、そして超オープンフェース。重心距離が長くてオープンフェースとくれば‥‥これはもうフッカー御用達ドライバーでしょう。コスリ球に悩むゴルファーよりも、引っかけや、チーピンに悩むゴルファーと非常に相性良く仕上がっています。

GDO調べでは重心距離は43.12ミリです。アナライズ計測と1ミリ弱異なりますが、これは個体差、ならびに計測者が異なるからです。ゴルフクラシックでも計測データが出ると思いますが、恐らく、数値は若干異なるでしょう。重心距離、重心高さ(スイートスポット位置)、フェースアングル、重心深度‥‥これらは人間が計測するため、測定者によって数値が若干変わります。ですので、ヘッドのスペックを比較する場合は、同じ測定者の数値でチェックすることが必要不可欠です。

重心深度、慣性モーメントについては見た目通りの数値で‥‥

重心深度42.57ミリ
慣性モーメント5149gcm2

重心距離が長さと慣性モーメントの数値は関連性がありますが、それにしても5149gcm2は大きい!!!!! 市販トップクラスの大きさでしょう。重心も非常に深いので、芯を外すして打ってもヘッドがブレにくい。見た目だけでなく、数値的にも飛距離と方向安定性に優れています。ただし、ここまで重心距離が長くて慣性モーメントが大きいとヘッドの操作性は高くありません。ドローやフェードを微妙に打ち分けることは‥‥かなり難しいドライバーです。

続いてシャフトを丸裸にしていきましょう。

日本仕様の純正シャフト、TFC360Dは

重量53g
トルク5度

スペック的には国内メーカーのドライバーと同じぐらいの数値で、一見、日本人ゴルファー向けのシャフトに見えます。ところが、ところが‥‥ワッグルするとシャフトはほとんどしなりません。それもそのはず、振動数で硬さを調べてみると‥‥

手元重心なので重ヘッドでもバランスはD2.5~。

手元重心なので重ヘッドでもバランスはD2.5~。

269cpm!!!!!

国内メーカーの純正Sに比べると、「何だこりゃ~」ってくらい硬い。国内メーカーの純正Sの振動数は240~250cpm。振動数だけで硬さのすべては分かりませんが、国内メーカーの純正Sに比べると、G25(日本仕様)の純正Sは2フレックスぐらい硬い。グラファイトデザインフジクラUSTマミヤ三菱レイヨンシャフトと比較しても‥‥G25の純正Sは硬い。アフターマーケット用のSシャフトの、振動数は260cpm±5ぐらいです。純正シャフトはアフターマーケット用シャフトよりも「軟らかい」というのが当たり前なゴルフ業界の中で、このG25だけはその常識を完全に覆しています。ちなみに、純正シャフトにTFC180Dというのもラインアップされていますが、こちらは更に硬く仕上がってます。

アナライズでは硬さを測る場合、センターフレックス計も用いますが、こちらのデータでも硬い。純正S(TFC360D)の数値は‥‥

4.62kg

これはアフターマーケット用シャフトの「S」の平均よりも少し上。Sフレックスでセンター部分が硬めに仕上がっているシャフトの平均とほぼ同じぐらいな感じです。

ピンは昔から硬いシャフトを装着したがる傾向がありますが、このG25においてもその伝統が継承されているのでしょう。純正シャフトの場合、ヘッドスピードが43m/sあれば「S」を使いこなせることが多いですが、G25にはその常識は当てはまりません。G25の純正Sをちゃんと使いこなすには、最低でも45m/s以上のヘッドスピードが必要でしょう。GDOの試打インプレでも書きましたが、ヘッドスピードが43m/s前後ならば、迷わずSRをお勧めします。

硬さについて補足すると、実際に打つと振動数ほどは硬く感じません。マーク金井のメルマガでも書きましたが、それはトルクが多めだから。トルクが多くなるとスイング中にシャフトがねじれやすくなり、その分だけゴルファーは「軟らかさ」を感じるからです。

純正Sシャフトのもうひとつの特徴は手元重心設計。ピンだけでなく、最近はバランスポイントを手元側にシフトしたシャフトを装着するメーカーが増えてきました。手元重心というと目新しく感じますが、要するにカウンターバランス設計です。これは20年以上前からあった考え方で、手元側を重くすることでバランスが出過ぎるのを防ぎます。ピンの場合もそうですが、手元重心に設計すると重いヘッドを装着してもバランスが出過ぎない。重ヘッドとか、46インチ以上の長尺の場合、シャフトは手元重心にした方がクラブ全体のバランスが整ってきます。G25の場合、G20のシャフトのTFC330より更に約2cm手元側に移動となり、合計7cm手元寄りに重心(バランスポイント)が移動しているそうです(メーカー調べ)

カウンターに関して言えば、シャフトの重量配分だけでなくグリップ内に鉛やウエートを装着することでも手元重心にできます。アナライズではグリップ内部に装着するシャフトスタビライザーを販売していますが、これを装着すると15~40g、手元側を重くできます。クラブ総重量はかなり増しますが、手元側が重くなるだけ。ヘッド側が重くなるわけではないので、振った時には重さをあまり感じません。G25に限らず、重いヘッドを持て余している人の場合、手元側を重くすることでかなり振りやすくなります。また、手元側を重くするとダウンでシャフトが寝づらくなって、チーピン、引っかけのミスを軽減できます。
G25は飛びのポテンシャル、そしてやさしさのポテンシャルは今年発売のドライバー中でもトップクラスです。ただ、ボクには純正Sシャフトがちょっと手強い。なので近々リシャフトするでしょう。リシャフトしたら、このブログに詳細をアップします~。

んじゃ(▼▼)b


2013年04月03日ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥

GDOのホットリストでも高い評価を得ていたピン。そのピンの最新モデルとなるのがG25。

 

Gシリーズもこの25からカチャカチャ式を採用~。

Gシリーズもこの25からカチャカチャ式を採用~。

 

ピンにはiとG、そしてアンサーの3つのブランドがありますが、その中でGシリーズは「やさしさ」重視。ヘッドの投影面積が大きくすることで見た目の安心感をアピール。そしてミスの許容範囲を広げるために、ヘッドの慣性モーメントの増大、重心位置を深くする設計がなされています。

G25についてはすでにGDOで試打レポートをアップしてますが、このドライバーの一番の特徴は「重ヘッド」。メーカー公称値は205g。カチャカチャ式なのでシャフトを抜いてヘッドを計測してみると‥‥

 

スリーブがないのでメーカ値よりも軽い。

スリーブがないのでメーカ値よりも軽い。

198.4g

看板に偽りがあると思うかも知れませんが、そうではありません。カチャカチャ式の場合、シャフト先端部分のスリーブがシャフトについたまま。ヘッドを計測する場合、脱着用のスリーブも含まれるのです。スリーブ重量は6gちょっとあるので、ボクが神田のつるやゴルフで購入したG25も実際のヘッド重量は約205gぐらいでしょう。これは市販ドライバーの中ではかなり重いヘッドです。国内メーカーのほとんどは200g以内です。

ちなみに、一番重いかというとそうではありません。何故かヘッド重量を公表しないテーラーメイドのR1(日本仕様)に比べると約2g軽い。市販で一番重いのは米国仕様のR1で、これはヘッド単体で約211g。ドライバーというよりは3Wに近い重さがあります。

G25はカチャカチャ式なので重心距離も計測可能です。スリーブが付かない状態での重心距離は44.5ミリ。スリーブを着けるとネック側の重量が少し重くなるので、重心距離は0.5~1ミリ短くなります。なのでスリーブが付くと‥‥

重心距離は44ミリ前後!!!!
でしょう。これは市販トップクラスの重心距離の長さ。重心距離は捕まりに影響が出るスペックで、ゴルフクラブは重心距離が短い方が捕まりやすく(ヘッドを返しやすく)、重心距離が長い方が捕まりづらい(ヘッドが返りづらい)特性があります。今どきの460CCドライバーの平均的な重心距離は38~41ミリぐら。それを考えるとG25はかなり捕まりづらい(ヘッドを帰しづらい)タイプです。弾道調整機能は付いてますが、スライサーよりもフッカーの方が扱いやすくドライバーです。

ちなみにノーマルポジションでのフェースアングル(フェース向き)は

-5.5度!!!!!!!

超オープンフェースですが、ここまでフェースが開くのには理由がちゃんとあります。ヘッドを計測する場合、ソールの座り具合が強く影響します。G25に限らず、最近のピンのドライバーはヘッドを座らせようとすると(ヘッドをポンと地面に置くと)、ゴロっとフェースが開きます。ソール形状が影響しているものと思われますが、この開き方が半端じゃありません。結果、フェースが大きく開き、フェースが開いた分だけロフトも増えてきます。フッカーを意識しているのかどうか分かりませんが、ヘッドをソールさせた時、ここまでフェースが開いてしまうと‥‥スライサーには構えづらくなってしまいます。

ロフトは表示9.5度に対して、リアルロフトは10.25度。アドレスすると、ロフトがかなり多いように見えます。12~13度ぐらいあるように見えますが、これはヘッドを座らせた時にフェースが開くようにゴロっと回転するから。リアルロフトはフェースをスクエア(フェース向き±0度)で計測します。G25の場合、5.5度開いたフェースを5.5度閉じて計測。このため、見た目よりもリアルロフトが少なくなってくるのです。

なので、G25をちゃんと使うにはちょっとしたコツがあります。フェースがスクエアになるようにグリップしたら、ソールを地面から少し浮かせてアドレスする。もしくはソールを地面に付ける場合、リーディングエッジ側だけを地面に付けて構える。こういう風に構えればアドレス時にフェースが大きく開きません。違和感が出づらく、ロフトが増えて見えすぎない分だけ弾道をイメージしやすくなります。ボクも、このG25を打つ時はリーディングエッジ側だけを地面に付け、フェースが開かないように(ロフトが増えないように)気を使いアドレスしています(笑)

おっと、シャフトのことを書こうと思ったら‥‥原稿の締切催促の電話が‥‥この続きは明日アップしましょう。
(▼▼)b