マーク金井blog

2013年04月21日スロープレーを防止する極意とは!?

アメリカンスタイルのゴルフが満喫できる多摩ヒルズゴルフコース

アメリカンスタイルのゴルフが満喫できる多摩ヒルズゴルフコース

FBでも書きましたが、一昨日の多摩ヒルズは4サムでプレーして3時間10分ほど。ハーフターンで茶店に立ち寄ったので実質3時間ちょっとで18ホール。乗用カートでのセルフでした。昨日の千葉市民ゴルフはハーフ1時間45分。こちらはキャディバッグを担ぎ、歩きでのプレーでした。どちらも平均的なプレータイムよりもかなり早いですが、どちらとも走りません。と言うか、ボクは同伴者に走ってプレーすることを禁じています。走ると息切れするじゃないですか(笑)なによりも走らなくても「プレーファースト」できることを身を以て知ってもらいたいからです。ちなみにマーク金井が主宰する「ハーフコース振興協会」では、「走らないでハーフ1時間40分以内」ということを明確にルールで定められています。

さて、このプレータイム。

ボクと一緒にラウンドしたことがない人にこの話ををすると、皆さんきょとんとします。プレータイムを短縮するためには「走る」ことが当たり前、当然じゃないかとだと思っている人が圧倒的に多いからです。中には、「走らないで速くプレーすることなんて無理」ですと、真面目におっしゃる方もいます。
多くのゴルファーは早くプレーしようとすると、行動が早くなります。走るのもしかり。あわててプレーするのもしかり。そして、早くプレーすると「あわててしまってゴルフをした気にならない」とおっしゃるゴルファーが少なからずいます。確かにその通りで、あわてることでプレータイムを早くしているゴルファーのプレーぶりを見ていると、録画したテレビ番組を早回しで見た感じになるので‥‥誰が見てもあわただしく感じます。本人は真面目に「プレーファースト」を意識しているのでしょうが‥‥ちょっと滑稽に見えてしまいます。

では、マーク金井はどんな方法で「プレータイム」を短縮してるのか? どんな魔法を使って「プレーファースト」を実践しているでしょうか・
すごく単純なことを実践しているだけです。それはやるべきことを減らすだけ。例えば、プレー中にやることが10あるならば、それを5とか6に減らす。行動時間を短縮しようとするのではなくて、行動そのものを減らす。これがマーク金井流時間短縮法です。

例えば、乗用カートでのプレー。多くのゴルファーはショットを打った後、クラブをキャディバッグに戻してから、カートに乗り込みます。まずこれが無駄な行動。ショットを打ったらクラブを持ったまま乗り込みましょう。そして、次のショットを打つ時、クラブを戻して、次のクラブを取り出す。これでひと手間減らせます。そして打順。競技でなければ、「レディー・トゥゴー」でプレーしましょう。ティショットやグリーン回りのアプローチは準備できた人から打てばいい。そして打つ時には「打ちます」と同伴者に宣言。これまた1ホール、数分時間を短縮できます。この2つを実践するだけで、ハーフ10分以上は時間短縮できるのです。打順に関して加えると、ティショットは飛ばない人から打つ。これまた時間短縮につながります。

まだまだ行動を減らせる方法があります。打つ前に何度も素振りをしない。構えたらすぐ打つ。グリーンに上がったら、ライン上を行ったり来たりしない。セルフでプレーする時は次のホールに近い場所にカートを止める‥‥昨日も、「素振りをしないと当たる気がしない」というゴルファーと一緒に回りました。ミスショットを重ねるほど、素振りの回数が増えます。そして、構えてから打つまでの時間も長くなります。慎重になる気持ちは痛いほど分かりますが、現実は残酷。素振りの回数が増えるほど、構えてから打つまでの時間が長くなるほど、ミスショットがひどくなっています。理由は単純、慎重になるほど自分で自分にプレッシャーをかけることになり、そしてプレーのリズム感が悪くなるからです。ちなみに、このゴルファーに対してマーク金井は、「騙されたと思って素振り無しで、そして構えたらすぐに打って下さい」とガンガン言います(笑)。プレータイムを縮めたいこともありますが、それ以上に、余計なことを考える時間を与えない方が、体がスムーズに動いてミスショットを減らせると考えているからです。

ウソみたいな話ですが、余計なことを減らしてプレータイムを早くすると、多くのゴルファーはスコアが飛躍的に良くなります。手前味噌ですが、ボクと一緒にプレーすると、120ぐらい叩く人が100前後を出したり、100を1度も切ったことがない人が80台で回ったりします。自分のリズムじゃなくて否応なしにマーク金井の早いリズムに乗せられる。テンポ良くプレーすることで、打たなくていいミスショットを減らせるからです。100以上叩く人は、90が中々切れない人は、走らないでハーフ1時間40分ぐらいでプレーしようとすれば‥‥それだけでベストスコアを更新できます。
おーっと、来客の時間が迫ってきました。プレータイムを短縮する方法はまだだまあります。この続きはまた今度しましょう。
んじゃ(▼▼)b

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マーク金井がエルク革の質感に惚れこんで作りました~

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2013年04月20日理想のFW用シャフト、ドライバー用シャフトとは!?

最近、マーク金井が試打クラブのテストに使っているのが米軍施設である多摩ヒルズ。ここは米軍の娯楽施設として作られたコースなので、一歩中に入れば米国です。

多摩ヒルズ16番ミドルホール~。

多摩ヒルズ16番ミドルホール~。

プレーフィーは言うに及ばず、茶店やレストランの支払いはドル建て(円も使えます)です。レストランで食べるステーキやハンバーガーも米国人を意識したもので、味付け、そしてボリュームもアメリカンです。

 

これでスモールサイズ~(笑)ポテトはてんこ盛り~。

これでスモールサイズ~(笑)ポテトはてんこ盛り~。

 

そんなマーク金井が昨日、多摩ヒルズでテストしたのがこれっ!!

試作シャフトは未塗装なので基本、ブラックです~(▼▼)b

試作シャフトは未塗装なので基本、ブラックです~(▼▼)b

強風が吹き荒れる中、現在開発中のドライバー用シャフトを2本テストしてきました。どちらも重さは50gですが、硬さとしなり感が異なります。243と書いてある方は軟らかめで、シャフト中間部分が軟らかく感じるタイプ。いわゆる粘り感があるシャフトです。対して246と書いてある方は243よりも少し硬め。そして中間部分に張りがあって弾き感があります。どちらもヘッドスピードが37~43m/sのゴルファーを意識したもので、長さは44.5~45.5で使いやすいようにチューニングがなされています。

さて、このドライバー用試作シャフト。名前はすでに決まっておりW55です。Wはウッドの略で、55は重さの略。50g台でウッド用のシャフトですが、マーク金井がこだわるのが重さと硬さのバランス。市販シャフトの多くは、重くなるほど硬く、軽くなるほど軟らかく作られています。このため、50gと60gのSシャフトを比較すると、大抵は後者の方が0.5フレックスほど硬くなっています。そして、60g台以上の重めのシャフトとなるとRの設定がない場合もあったりします。マーケティング的に「重くて軟らかい」シャフトは売れない、とシャフトメーカーは考えているのでしょう。

しかし、ボクはそうは思いません。スイングが不安定な中級者ぐらいまでは、「重くて軟らかい」シャフトがベストだと思っています。重さが適度にあった方が、手打ちになりにくく、体使ってスイングできます。シャフト(クラブ)を少し重くすると、クラブの軌道を安定させられるメリットもあるんです。

硬さに関しては、軟らかい方が切り返しで力みません。軟らかければ、シャフトをしならせようと力まないですむからです。加えて軟らかい方が、タイミングが取りやすくなるし、アマチュアに多いアウトサイド・インの軌道を矯正でき、インサイドから振り下ろしやすくなるのです。

このボクの考えを具現化して作ったのが、昨年末に完成したW65です。これはFW用として開発したシャフトで、重量が60g台あります。市販のFWには50g前後のシャフトが装着されていますが、それに比べると10g以上重く作られています。なぜここまで重くしたかと言うと‥‥ドライバーに比べるとFWはクラブは長くありません。ドライバーが45インチ以上あるのに対して、3Wは43インチ前後。2インチ以上長さが異なれば、ドライバーよりも5~10g重くした方が重さの流れが良くなるからです。加えて、手元側のしなりを感じ取りやすくするために、手元剛性をわざと少し下げ、それによって軟らかさを感じ取りやすくしています。これにより切り返しでゴルファーが余計なことをするのを防げます。また重さ効果でスイング軌道が安定する分だけミート率が良くなるんです。

市販FW、特にロケットボールズはシャフトが軽い。FWのシャフトが軽いとトップしたり、チョロが出やすくなります。また、ボールが上がらなくなると上げたくなってすくい打ちのミスも出やすくなるのです。

マーク金井はこのW65を開発する時に使ったのがテーラーメイドの初代ロケットボールズ。このFWはヘッドが大きめで、重心距離も長め。飛ぶというだけでなく、FWのスタンダードになると思ったから、このヘッドを選びました。あまりにもRBZ(ロケットボールズ)と相性が良く仕上がったので‥‥思い切ってRBZとカラーマッチングさせたシャフトも限定で作っちゃいました。

もはや名器?初代RBZ(ロケットボールズ)

もはや名器?初代RBZ(ロケットボールズ)

RBZ(ロケットボールズ)にピッタリの限定カラー

RBZ(ロケットボールズ)にピッタリの限定カラー

そして、W65の次に作ろうとしているのが冒頭で紹介したW55なんです。このシャフトの設計ミッションは2つ。FWよりも10g軽くすること(これによりドライバーとFWとの重量フローが良くなる)、もうひとつはヘッドスピードが37~43m/sのゴルファーがやさしく飛ばせるようになることです。具体的に言うと、W65同様、ミート率が良くなるシャフトを作ること。ドライバーに限りませんが、芯で捕えた時にボール初速がもっと上がり、飛距離を効率良く稼げるからです。

この2つのミッションを答えるべく、仕上がった最終試作シャフトがこの2本です。両方ともコースで何度も打ち比べましたが、どちらにも魅力を強く感じました。243は粘り感があってタイミングが取りやすく、高弾道でキャリーを出ます。246は弾き感があって力強いインパクトから、中弾道で低スピン弾道が打ちやすい‥‥なのでボクが行き着いた答えは大人買い(笑)そうです、ドライバー用は1種類だけの予定でしたが、2種類出すことに決定しました。シャフト製作はファイアーエクスプレスでお馴染みのコンポジットテクノさん。もちろんメイドインジャパンです。

昨日のブログでも書きましたが、ヘッドスピード、飛距離によって最適なクラブ、最適なシャフトは変わってくるのです。おーっと、シャフト作りで一番大事なことを書き忘れました。この続きは来週アップしましょう~。

 

んじゃ(▼▼)b


2013年04月19日やさしいウエッジと難しいウエッジはどこが違うのか?

マスターズも終わり、いよいよゴルフシーズンたけなわです。ボクも今日は米軍施設の多摩ヒルズでラウンド。明日は千葉市民で早朝ハーフです。どちらもラウンドの目的はクラブとシャフトの試打。アナライズでは現在、サンドウエッジを2モデル。ドライバー用シャフトW55を2モデル、そして80g台のアイアン用カーボンシャフトを開発中。これらをテストすると同時に、マーク金井が衝動買いしたピンのG25ドライバー、コブラのampセルのFWとユーティリティを試打します。今日はキャディバッグの中にクラブが16本ぐらい入っているでしょう~(笑)

さて、アナライズのウエッジと言えば、ワイドソール&ハイバンスのMSウエッジとリンクスのSSウエッジ。どちらも超シャローフェースなデザインを採用し、パッと見ただけで、「やさしい」「簡単」「ミスに強そう」ということがイメージできるウエッジを作りました。もちろん、打てば違いは一目瞭然。ワイドソールなウエッジは他にもありますが、これでハイバンスになっているモデルはほとんどありません。ワイドソールでハイバンスにするとアドレスした時にリーディングエッジが浮いてしまい、そしてヘッドを硬い地面に置くとクルッとフェースが閉じる方向に回転するからです。

ワイドソール、ハイバウンスなMSウエッジ、SSウエッジ

ワイドソール、ハイバウンスなMSウエッジ、SSウエッジ

何故、アドレスしづらいウエッジを作ったかと言うと、とにかくダフりに強いウエッジを作りたかったからです。ワイドソール&ハイバンスにするとハーフトップする怖さがありますが、反面、ハーフトップしやすいウエッジはダフって打ってもヘッドが地面に潜らず、ソールが滑ります。結果、ミスがミスにならない。アプローチでザックリを防止する、バンカーからザックリを防止するということに特化したウエッジを作りたくて、作ったわけです。
そんなマーク金井が今、今取り組んでいるのがオーソドックスな形状のウエッジ。現在、56度を試作テスト中ですが、試作のセカンドバージョンが昨日上がってきました。

セカンドバーション。ファーストバージョンに比べてバンスがフラットで効いている

セカンドバーション。ファーストバージョンに比べてバンスがフラットで効いている

 

試作ファーストバージョン。ソール面積が少なく、ヒール側のバンスが削られている

試作ファーストバージョン。ソール面積が少なく、ヒール側のバンスが削られている

見た目は、オーソドックスなティアドロップ形状。ネックもストレートに近く、いわゆる出っ歯系ウエッジ。MSSSウエッジを否定するかのようなデザインですが、実は設計コンセプトはMSSSと同じなのです。見た目はオーソドックスな形状ですが、ソールをじっくりとご覧になって下さい。

 

ソール幅は広めですし、なによりも抜けを意識してソールが面取りされていません。ヒール側のバンスも「これでもか」ってぐらい張り出しています。今流行の多面ソールのウエッジに比べると、実効ソール面積は2倍ぐらいあるでしょう。そうです、MSSSは使いたいけれど、どうも形状がなじめないんだよねっ。そういうゴルファーに向けて、とにかくダフり、ザックリのミスに強いウエッジを作っているわけです。ちなみに、形状的はマーク金井が一番好きなキャロウェイの初代Xウエッジがモチーフになっています。具体的に言うと、ボーケイクリーブランドに比べると、輪郭の丸み感を押え、ややボックス形状になっています。そしてリーディングエッジの丸み感も控えめ。ソールを開いて使うこともできますが、スクエアに構えた時にラインが出やすい形状になっています。

もうひとつのこだわりがリーディングエッジの浮き具合。大手メーカーのウエッジの多くは、ゴルフショップの硬い地面に置いた時、リーディングエッジが浮かないようにデザインされています。リーディングエッジが浮くと、多くのゴルファーから「構えづらい」と毛嫌いされるリスクを回避したいからです。しかし、マーク金井そんなことを一切考えません。このオーソドックスな形状のウエッジも硬い地面にヘッドを置くと、MSSSウエッジ同様、リーディングエッジがガッツリ浮きます。

MSウエッジを硬い床にソールする

ヒール側のソール幅が広く、バウンスがしっかりあると、硬い床の上にソールすると、フェースが左を向く(写真はMSウエッジ)

ウエッジを使うシチュエーションは芝の上や砂じゃないですか。実際のシチュエーションではリーディングエッジが浮くぐらいの方がソールが滑りやすいし、ザックリ、ダフりを確実に軽減できるからです。
ボクの考え方が本当に正しいのかどうかは、コースで使ってみればすぐに分かります。様々な芝、様々な砂でとことんテストし、自分が納得できた時点で市販化します。クラブを設計する人間が実際にテストする。極めて合理的なアプローチですが、最近のクラブメーカーでこれをちゃんとやっている所は非常に少ないでしょう。アナライズは非常に小さい会社ですが、設計者とテスターが同一人物でできる数少ないメーカーです。試打の結果については、このブログでもじっくり公開していきたいと思います。
んじゃ(▼▼)b

 

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2013年04月18日ゴルフクラブの真実とは‥‥

スコアアップの近道は、実はクラブ選びだった!!

フォーティーンの創設者であり、日本を代表するクラブ設計家の竹林隆光さんが書かれた(実際は竹林さんが喋って、ライターが執筆)「ゴルフクラブの真実」(パーゴルフ新書)の帯のキャッチコピーが冒頭のフレーズ。まったくその通りで、ゴルフは道具(クラブ)の依存度が極めて高いスポーツです。ボクも4月15日のブログで、クラブとスイングは密接な関係があると書きました。

竹林さんはこの本の冒頭でこんなことを書いています。ちょっと長いですが引用します。

世のゴルファー諸氏のほとんどは、その時代、時代の強い選手のスイングをお手本にしたり、あるいは、その時代に流行ったスイング理によってスイングを構築していこうと考える傾向があります。また、そのそのようなレッスンが多いことも事実です。

しかし、これは決して本質ではなく単なる流行にでしかありません。

では、本質はとは何か?

「スイング理論はクラブによって作られ、クラブが換わればスイング理論もまた変わる」というのがスイングの本質であり、スイング理論の本質なのです
(ゴルフのクラブの真実から引用)
そしてこれを立証するために、こんなことが書かれています。

昔は、オーバースイングの人がとても多かったのですが、あれはクラブそものもがすごく重かったんです。石川遼クンや宮里藍ちゃんに代表されるように、子供の頃からカーボンの軽いクラブでゴルフを覚えた世代というのはおおむねトップがコンパクトなんです。これなどはクラブの総重量によること以外のなにものでもないんです。

2012/03/31 田辺安啓(JJ)/ゴルフダイジェスト・オンラインより

フェースをシャットに使う宮里藍

写真はGDOより転載(JJ田辺撮影)

スイング中フェースを開いて閉じろというのは重心距離の短いクラブの理論ですし、バックスイングでシャットに上げるというのは重心距離の長いクラブの理論です。(ゴルフクラブの真実から引用)

重心距離が短い=パーシモン
重心距離が長い=460CCチタン

です。昔のパーシモンドライバーはヘッドが小ぶりで重心距離が短かった。重心距離は32ミリ前後でした。対して今どきの460CCドライバーはヘッドが大きくて重心距離が長い。重心距離は40ミリ以上あるドライバーが主流です。重心距離の長さでゴルフスイングの基本、スイング理論はガラッと変るのです。竹林さんもおっしゃってますが、クラブといい関係を築く、クラブを味方につけてスイングするには、スイングと重心距離の折り合いを付けることなんです。

そして、クラブ選びでもうひとつ大事なことがあります。竹林さんは「自分が使いこなせるクラブ」を選びなさいと教えてます。

タイガー・ウッズが300ヤード飛ぶからといって、仮に220ヤードを効率良く飛ばせる能力のドライバーで300ヤード飛ばせるかというとそうはいかないんです。逆に、飛距離が220ヤードの人が、タイガー・ウッズの300ヤード飛ばせるドライバーで220ヤード飛ばせるかというと、これもまた無理で飛ばないんです(ゴルフクラブの真実から引用)
では、300ヤード飛ばせる(飛ばしやすい)ドライバーと220ヤード飛ばせる(飛ばしやすい)ドライバーとではどこが違うのか? この点について竹林さんはシャフト重量、硬さ、ロフト、総重量についてアドバイスしていますが、実はもうひとつ重要なポイントがあるんです。それは何か?
重心の深さ
なんです。今、キャロウェイのXホットとかテーラーメイドのロケットボールズの3Wが「もの凄く飛ぶ」注目を浴びていますが、これらの3Wに共通しているのは300ヤード飛ぶ人向けに作られていること。この2モデルに共通しているのは重心が浅いこと。ロングヒッターはスピンがかかり過ぎて飛距離をロスします。このため、重心が浅い方がスピンを減らせて飛距離を稼げるからです。しかし、浅い重心というのはドライバーの飛距離が220ヤードの人にはメリットよりもデメリットが大きい。ヘッドスピードがそんなに速くない人の場合、重心が浅いとスピンがかかりづらくなって、キャリー不足に陥る危険性があるからです。これはドライバーにも言えることで、300ヤード飛ばすドライバーと220ヤード飛ばすドライバーとでは、適正な重心の深さが異なります。

具体的に言うと、ドライバーのヘッドスピードが40m/s前後ならば重心は深い方がアドバンテージがあります。

 

今週の週刊ゴルフダイジェスト週刊パーゴルフに「ヨネックス i-EZONE」ドライバーの記事を書きました。

写真 (46)

ヘッドスピードが40m/s前後ならば重心を深くした方がキャリーが出ます。最適スピン量を得られるからです。そして重心が深いドライバーはミスヒットにも強い!!! 竹林さんの言葉を借りれば、ヘッドスピードが遅い人は重心深度が深い方がメリットがあるのです。ボクはそのことをちゃんと説明したいから、ヨネックスのタイアップの仕事を引き受けました。もちろん実際に試打してみても、ヘッドスピードを40m/s以下に落として打つと、「ヨネックス i-EZONE」は、やさしく飛距離を稼げます。ドライバーを得意クラブにしたいゴルファーには、ぜひともゴルフショップや練習場で試打してもらいたい1本です。

唯一気になる所があるとすれば、純正シャフトはちょびっとシャフトが軽い。重めのドライバーを使いたいゴルファーには、もう少し重いシャフトを装着することをお勧めしたいです。幸いにも「ヨネックス i-EZONE」はカチャカチャ式なので、簡単にシャフト交換できます。マーク金井が作ったW65はシャフト単体で60g台。「軟らかくて重い」シャフトなので、ヘッドスピードが40m/sの人にも扱いやすい。そして、白黒ツートンカラーのヘッドに合せるかのように、シャフトも白黒ツートン。メーカーさんに怒られそうですが、純正シャフトよりもカラーマッチングがよろしい(笑)

ヘッドスピード、飛距離によって最適なクラブは変ります。そこをちゃんと押えておけば、クラブ選びはそれほど難しくはないのです~。
んじゃ(▼▼)b


2013年04月17日改めて思う‥‥ゴルフ雑誌を読んでも上手くならない理由とは!?

毎週火曜日は週刊ゴルフダイジェスト週刊パーゴルフが発売されます。第2と第4木曜日にはアルバ、そして月刊では月刊ゴルフダイジェストチョイスゴルフクラシックゴルフトゥディワッグル、そして隔月刊でビジョン72ゴルフスタイル‥‥米国よりも日本の方が、ゴルフ雑誌の発刊数は圧倒的に多いです。

そして米国ゴルフダイジェストゴルフマガジンに比べると‥‥国内のゴルフ雑誌はレッスン記事の比率が非常に多い。表紙には「100を切る○○」「速攻、これでスライスは直る」「バンカーショットはこれでベタピン」等々の見出しが所狭しと並んでいます。

米国ゴルフダイジェスト誌。なんか表紙がエロいですね

米国ゴルフダイジェスト誌。なんか表紙がエロいですね

さて、このゴルフ雑誌におけるレッスン記事の数々。プロや上級者の中には、「ゴルフ雑誌を読んで上手くなったら苦労しないよ」とか、「ゴルフは読んでも上手くならない」なんてことを言う人がいます。実際、ボクの回りでもゴルフ雑誌を一生懸命読んでいる人の何人かは、残念なスイングをしている人が少なからずいます。また、そういう人の多くは、「スタック&チルト」と「4スタンス理論」はどちらが自分に合っているののか? とか、「あのプロの理論は古い」とか「あの理論は俺には合わない」なんてことを口にしがちです。

そこで今回のテーマは、ゴルフ雑誌のレッスン記事の限界性について。

ゴルフ雑誌のレッスン記事は「正しいのか? 間違っているのか?」と、いろんな人から質問を受けます。この問いに関してマーク金井は、

「レッスン記事はすべて正しいでしょう」

と即答します。何もゴルフ雑誌からの執筆依頼を減らしたくないからヨイショしているわけではありません(笑)。レッスン記事に登場するプロが、わざと間違ったことを言うメリットは何もないじゃないですか。どんなテーマであっても、取材に応じるプロ達は真摯にテーマに取り組み、解決法をアドバイスしています。スライスの直し方しかり。バンカーショットの脱出法しかり。飛距離アップしかり‥‥誤解を恐れずに言えば、間違ったことをレッスンすることよりも、正しいことをちゃんとレッスンした方が簡単だからです。

では、なぜ多くのアマチュアはレッスン記事を読んでもいっこうに上手くならないのか?

それは雑誌記事という表現方法には限界があるからです。例えば、FWを上手く打つにはダウンスイングからインパクトゾーンにかけて、動きのキモは左右の手の使い方にあります。それを言葉にすることこんな感じです。
ダウンからインパクトにかけて、左手は体に近づいて、右手が飛球線方向へ出て行きます。この右手が飛球線方向(前に行く)感覚がないと、FWは上手く打てません。

 

FWが上手く打てる人にとっては、このフレーズはすんなり納得できますし、勘違いや誤解もありません。ところが、ところが‥‥FWを苦手にしているゴルファーにとっては、この言葉の意味を理解しても、日本語をちゃんと理解しても、動きとして明確に頭にイメージすることが極めて難しいのです。

それは何故か?

例えば、動物の絵を描くことをイメージして下さい、ゾウを一度でも見たことがあるならば、「耳が巨大で、鼻がものすごく長い」と説明されたら、それだけでちゃんとゾウが描けますよね。上手下手の違いはあっても、実際のゾウと似た絵になるはずです。ところがゾウを一度も見たことがない人ならばどうでしょうか。いきなり「耳が巨大で、鼻がものすごく長い」という説明だけでは、ゾウは描けません。と言うよりは想像すらつかないでしょう。頭の中にゾウのイメージが描けない人にとっては、この説明から具体的な全体像が見えてこないからです。もし、この説明だけで実際のゾウを描ける人がいたならば、その人は正真正銘の天才でしょう。

ゴルフのレッスンもこれと同じなんです。前述した左右の手の使い方についても、すでに動きを理解してできる人にとっては「的を射たレッスン」ですが、動きを理解していない(実際にそう動けない)人にとっては、雲をつかむような言葉なんです。そして、大抵の人は言葉の意味を誤解し、本来の動きとはかけ離れた動きをしがち。アナライズには、年間1000人以上のアマチュアが来られますが、スイングがちゃんとできていない人ほど、ゴルフ雑誌のアドバイスを曲解、誤解した状態に陥っているのです。

では、どうすればゴルフ雑誌の記事を役立てることができるのか?
まずは雑誌の記事、雑誌の表現には限界性があることを理解することです。そして、アドバイスを勘違いしないためには、実際にレッスンを受けることです。直接プロからアドバイスを受ければ、曲解、誤解を防げます。実際にレッスンを受けることができないならば、客観的に自分をチェックすること。iPhoneやスマホなどでスイング動画を撮り、アドバイス通りに体が動いているかどうかチェックして下さい。ゴルフ雑誌の記事通りのことをやっているのに、実際の動きが間違っている場合は、そのほとんどはレッスン内容を曲解、誤解しています。

もうひとつの方法は練習器具を積極的に使うことです。アナライズではスイング作りにゴルフの竪琴を推奨しています。竪琴は左右の手を3次元的に離して持つことができます。これにより、前述した左右の手の使い方を勘違いしないで会得できます。もちろん、竪琴を使って練習する場合も動画チェックは必要不可欠です。

ゴルフ雑誌のレッスン記事を読んでも上手くならない‥‥これはゴルファーの理解力に問題があるわけではないと、ボクは思っています。人間は見たこともない、経験したこともないことを‥‥言葉だけでは理解することが出来ない生き物なんです。人間の想像力は無限ですが、ことゴルフスイングの会得においては、その想像力がデメリット方向に働くことが多いような気がします。
んじゃ(▼▼)b

関係過去記事

「ゴルフ雑誌を読んで上手くなれるのか?」