マーク金井blog

2005年10月15日青マナVS赤マナ どう違うの?

クラブにしろ、シャフトにしろ、レビューを書く時にボクが一番こだわっているのが試打した時のフィーリング。

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数値通りの特性が出るモノもあれば、数値とは違った特性があるモノも少なくないからです。

例えば、シャフトに関してだったら‥‥
メーカーが「中調子」と謳っていても、実際に打ってみると「元調子」だったり「先調子」だったりすることが少なくなくありません。もちろん、ボクのフィーリングがすべてのゴルファーに当てはまるとは限りませんが、一人の人間が同じ条件でテストすれば、カタログに見えないモノが見えるんじゃないかと、信じております。その一方で、自分のコメントと後から手に入れたスペック(数値)が一致した時は、クイズに全問正解したみたいで「して、やったり」とも。

で、今回のお題である「青マナVS赤マナ」についてですが、

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一番の違いは手元剛性と感じてました。青マナの方が手元側が硬いので、ボク的にはこれは「先調子」っぽく感じました。それでいて、先端側が硬いので振ってみると(先の硬さを妙に感じるために)、全体調子なんて意味不明の言葉を使ったりしてました。

他方、赤マナは青マナに比べると手元と、先端側が柔らかく、中間部分が硬い仕上がり。丸山プロが使っているシャフト(グラファイトデザインMー65)に似ている感じ。違いは、こちらの方が硬さの変化が発生する部分(つなぎ目)の挙動がマイルドなので、シャフトの動きをコントロールしやすくなってます。

スペックを全く知らないで語ってましたが、昨日、ディアマナを販売している○ストリックスのN谷さんに剛性分布を書いてもらったら、

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ボクのフィーリングと剛性分布がピタッ~と合致!!!!(ヤッター)MILLさんから、すでに「合ってますよ~」と有り難いコメントをいただいてましたが、メーカーサイドからもお墨付きを頂けて一安心。フードライター的に言えば、ソムリエ試験にトップ合格したみたい。ちょっと違うか?

シャフトが戻るスピードについても、「赤マナ」の方が速いという点も、「その通りです」と。

青マナは叩いても左のミスが出づらいシャフト
赤マナはしなり戻りで球が捕まえやすいシャフト

ディアマナのリシャフトを考えている皆さん、このコメントを大いに参考にして下され。


2005年10月14日二枚目にご注意!!

今日、プロテストを受ける女子研修生がボクの試打スタジオにやってきました。永井プロのレッスンを受けるためにですが、ドライバーを見てびっくり仰天!!アドレスするとプロ、上級者好みのオープンフェース。フェースのトウ側が少し開いた感じで、男のボクから見てもかなりのイケメンなのですが、

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(イメージ写真っす)

リアルロフトを計測してみると‥‥

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(これもイメージ写真)

表示ロフトが8.5度に対して、リアルロフトはな、な、なんと~7度!!!!「なんだこりゃ~」男子プロだって、リアルロフト9度ぐらいの人が多いことを考えると完全にオーバースペック。軽自動車にF1のエンジンを積んだ、いやF1のタイヤを履いたようなみたいな。ちょっと違うか(汗;)

「ボールが全然上がらないんですよ~」
「スピンが少ないんですよ~」
「右にスッポ抜けるんですよ~」(研修生 Sさん)

彼女のヘッドスピードは40m/s前後。にも関わらずタイガー・ウッズなみの超ストロングロフトを使えば、上のような症状が出て当たり前。にも関わらず、本人は自分のスイングが悪いと思っているわけです。

では、なぜ彼女のドライバーは絶壁だったのか?

一般にスクエアフェースに見える場合、大抵フェース角は1~2度オープンになっているんです。右打ちの場合、右後方からフェースを見るため(特に右利き目の場合)、スクエアフェースだとフェースが少し被って見える。フェースが少し開いているぐらいで「おおっスクエア、いい顔してるなぁ」となるんです。逆に、少し右を向いている感じの場合、2度以上オープンフェースになっていると思って間違いありません。

そして、オープンフェースの度合いが強くなるほど、リアルロフトは減ってきます。る。リアルロフトを計測する場合、フェースをスクエアにセットするから。オープンフェースの場合、フェースを被せてから計測するので、アドレス時のロフトよりも、リアルロフトが減ります。目安としては、オープン2度だと、リアルロフトは1~2度弱減ってくるでしょう。

逆に、アマチュア向けドライバーに多いのですが、フックフェースの度合いが強いドライバーは「おっ、楽に上がるじゃん!!」なんてことになりやすい。フックフェースが強くなるほど、リアルロフトは増えてくるから。もちろん、ロフトが増えてくるわけですから、この手のドライバーはスピンも増えやすい。ロフトとスピン量は比例関係にあるからです。

今回の研修生の場合は、ちょっと極端な例ですが‥‥ボクの回りにもリアルロフトを知らないでドライバー選びを失敗している人が少なくありません。

目安としては、ハードヒッターが「コレ飛ぶよっ」と評判のクラブ(Xドライブ405、ロイコレの3W)はフェース角がオープン強めでリアルロフトが少なめだと思って間違いありません。

この手のウッドクラブはロフトでくれぐれも見栄を張ってはいけませぬぞ。

んじゃ。


2005年10月13日ボクの師匠

であるクラブ設計家の松尾好員さんの最新著書っす(一応、ボクも少しだけお手伝いしました)

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「ゴルフはクラブで上手くなる!」
1冊1400円+税(ゴルフダイジェスト社)

最適ギアと書いてありますが、中味は単行本とは思えないほど新鮮情報が満載。重心距離によりマッチングの重要性に始まり、コンポジットVSチタンの飛び比較、2007年以降の高反発規制問題についてもじっくり解説されてあります。

そして、ボクも松尾さんから10年近く手取り足取り教わったクラブの「目利き」についても出し過ぎっていうぐらいのネタが‥‥この本をじっくり読んだら「もう、マーク金井いらんわ~」なんてことになりそうで、かなりビビっております(^_^;)

で、今日はカキコの返信っす。

イツローさん、

ヘッドスピードが42m/sぐらいでも三浦のアイアンを使いこなすこと自体は問題ないでしょう。実際、女子プロでもマッスルやプロキャビを使っています。CB3003の重心はそれほど高くありません(20.3ミリ)。ミート率が良ければ、難しいと感じないはずです。ただし、シャフトは自分のパワーに合った重さ(軽すぎず、重すぎず)を選ぶことが大切っす。

ぐれむりん、さん

>マーク金井の膝打ちヘルプ君」として売り出したらどうでしょう?

ナイスなアイデアですが、膝打ちは人目があるところでやりづらいドリル。カラオケボックスのように個室の練習場が増えてきたら、ぜひとも製品化したいですねぇ。

ケイッチョ さん

>シャフト選びで長さ等は身長によって関係してくるんでしょうか・・?

長さについては身長よりも振りやすさを重視したようないい気がします。身長については長さよりもライ角度を合わせることの方が大事でしょう。ただし、飛距離を求めるという点では、プロでもアマチュアでも背の低い人でロングヒッターは長尺シャフトを使っている人が多いような‥‥

とりあへさん、

>古い話で恐縮ですが テーラーの3や5シリーズのDr
>でルール適合のものはどう見分けるのですか?
>当方は現在R360Ti 10.5とR540 9.5を所有してます。
>540はいかにも高反発という出球ですが360はドロンボールです。

ボクの記憶では、テーラーの場合、数字の前にRがつくのが日本仕様(高反発フェース)で、米国仕様はRがつかなかったような‥‥間違ってたらスミマセン

ふっ~っ、何とか今日中に更新完了(只今、午後11時52分)

ここでゲーリー久永さんの川柳を一句
「ブログって、毎日更新つらいよね」  禿同っす


2005年10月11日赤マナ73VS赤マナ63!!

11月に発売が予定されている三菱レーヨンのシャフトといえばこれっ!!

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ディアマナの新バージョンのMシリーズで、ロゴ背景色の色をもじって「赤マナ」と呼ばれてますが、種類は全部で3週類。

M63(60グラム台前半)
M73(70グラム台前半)
M83(80グラム前後)

発売間近ということもあって、ゴルフ雑誌でも試打インプレされる機会が増えてきましたが、先週、ボクも一番軽いM63(試打用)を1本何とか入手しました。

早速、組み上げて見たら‥‥何、何、何と~重さを除いたスペックは、M73とまったく同じ!! 吃驚仰天、同じシャフトでも個体差があるというのに、この2本ときたら、

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振動数は264cpm
センターフレックスは4.8kg

ヘッドはどちらもXドライブ405でヘッド重量はほとんど同じ。長さはM73の方が44.75インチで、M63の方は45インチ。軽い方を少し長くしたのは、振った時のフィーリングを同じにしたかったから。この手法はクラブメーカーもよくやる手法。メーカー側もこうセッティングされることを予想していたのか? それとも偶然の一致なのか? いずれにしても、ボクの手元にあるM63は、M73がちょっと辛い人に人向けとしては理想的な仕上がり。

しかし、スペックだけでは語れないのがシャフト!!(計測項目が少なすぎるともいえますが‥‥汗)

ワッグルしてみると、何回比較してもM63の方がシャフトの振れ幅が大きいし、手に伝わる感触もM63の方がクニャッとしている。同じSでも、M63の方はSRというシールを貼りたくなりました。

実際に打ってみても、

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フィーリングは変わりません。ボクは切り返した時にシャフトの硬さをジャッジしますが、明らかにM73よりもM63の方がしなり量が多めだし、軟らかい。当然シャフトのしなり戻りも、M63の方が少しスローな感じがします。ここまでフィーリングが違うということは、結論はひとつ。恐らく、M63の方が先端剛性を意図的に下げているのでしょう。シャフトの先端側がムチのように大きくしなるってくれるから、M73と同じ振動数なのに軟らかく感じているみたいです。

ここからはボクの推察ですが、赤マナM63は女子プロたちのヘッドスピードに合わせているような‥‥感じがします。ストライクゾーンはSでヘッドスピードが42~45m/sぐらい。M73同様、捕まりがいいので、捕まったフェードを打つのにすごく適していますし、シャフトで球を捕まえたい人にも相性が良さそう。反面、インからあおって引っかかる人にはつかまり過ぎる怖さも。青マナが「左に絶対行かせないぞ」とすれば、赤マナは3シリーズとも「つかまり重視」のシャフトというのが今のところのボクの結論っす。ご参考にして下され。

ちなみに、今日のスコアは39、37(千葉・大多喜城GC フルバック 4バーディ、OB1発)

んじゃ、


2005年10月10日早めのリリースが決め手!!!

前回、紹介した「ひざ立ちスイング」←クリック。アドレス時のシャフトの角度(シャフトプレーン)がかなりフラットになるので、、ダウンでシャフトが寝ているかどうか正確にチェックできますし、シャフトを寝かせない(プレーンに沿って下ろす)動きを身に付けるドリルにもなります。

ところが、このドリルは非常に残酷で‥‥

フックやチーピンに悩んでいる人の場合、ダフらんように打とうとするほどダフります。このタイプのゴルファーは左手で引っ張り下ろす癖がついているからで(リリースが遅いので)、ダフりを怖がるほど左で引っ張り下ろす度合いが強くなり(結果、インからあおる度合いがひどくなり)、余計にヘッドが下がってしまうからです。

じゃ、どうやって打てばシャフトを立てられるのか?

「寝ているんだったら、立てればいいんじゃない」と考えたくなりますが、これはかな~り危険な考え方。シャフトを立てようとすると、こんな感じで

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肩を突っ込ませて、体の開きでアウトサイド・イン軌道を作ることに。結果、ダフらなくはなりますが、手とヘッドの関係から言うとシャフトが寝た状態は解消されていません。これでは、シャフトに負荷がかかったままなので、左にひっかかるミスが出やすくなるからです。

んじゃ、どうすれば良いのか?

ポイントは左手と右手の役割を理解し、ダウンの開始とともにリリースを意識し、グリップエンドを素早く体の中に向けること。練習法としては、こんな感じで両手を離してグリップしてのドリルがお勧め。

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ダウンで下(地面)を向いたグリップエンドを、右腕を伸ばし(そして、左手は体に引きつけ)自分の方向に素早く向けていく。ダウンの開始とともにリリースするぐらいで全然OK。ポイントはボールめがけて振り下ろすのではなく、ヘッドを真下に落とすぐらいの感じ。リリースの感じがつかめない人は、こちらのドリルもお勧め。

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(シャフトで箱を前に倒しながら、ヘッドをボール方向に振り出す)

右腕を伸ばしながらヘッドを体の前に振り出す感じがつかめると、シャフトは絶対に寝ません。ヘッドがプレーン上を動くようになってきます。山本信弘プロ、永井延宏プロによるとアマチュアの多くはダウンでリリースが遅れているとのこと。ボクはリリースの重要性を教わってから、ひざ立ちがちゃんと打てるようになりましたし、ダフった時も「おっ~と、今のリリースが遅いぞ~」と反省、反省、また反省。リリースを意識すれば、すぐにちゃんと当たります。

ラブパパさん、コニちゃんさん、kyonさん、ぜひとも試してみて下され。リリースする感じがつかめてくると右肩が下がらないのも体感できるはずです。ちなみに前回の写真で使ったクラブは5番ですが、普段は7番で練習します。