マーク金井blog

2013年06月21日ハーフ50を切るために本当に必要なアイアンとは!?

昨日はサッカーのコンフェデ杯、日本vsイタリア戦を見ながらブログを書きました。ブラジル戦と違って、日本が優位に立っている時間が多かったので見応えがありましたが、試合後、中田英寿がこんなことを言ってました。

イタリアは時間の使い方が上手い。日本が攻めているシーンが多かったですが、実際は横パスが多くて縦パスが少なかった。イタリアは日本にボールを持たせる、日本に攻めさせることで体力を温存していたわけです。そして、ここぞ言う時にギアチェンジして一気に攻めて得点につなげてました。

なるほど、確かにイタリアの得点シーンはあっという間でした。日本がパスをつないでじっくり攻め上がるのに対して、イタリアはいいパスが1本決まったら、そこからツータッチ、スリータッチぐらいでシュートを打って決めてましたね。特に3点目、4点目なんて「あれっ」ていう感じですんなりゴールを決められてました。対して、日本はセットプレー絡みの得点が多く、イタリア人をビビらせたのは香川の2点目のシュートだけでしょう。

この日本代表のプレーぶりを見ていると、ゴルフにも通じる部分がかなりありそうな気がしました。昨日の日本代表はティショットやセカンドショットは素晴らしいけれど、肝心のバーディパットが決まらない。ゴルフに例えるならば、ショット(内容)は良いのだけれどスコアが出ない感じでした。これは、非常にストレスが溜まるゴルフですが、アマチュアにはこの手のプレーをする人が非常に多いです。ティショットが会心なのにダボを叩いたり、セカンドでグリーンそばに運んでも、アプローチをチャックしてダボやトリプルを叩く人が少なからずいます。特に、ハーフ50が切れないアマチュアを見ていると、3打目以降で失敗している人がほとんどです。

さて、本題に入りましょう。

昨日のブログでも書きましたが、ゴルフにおいて1打目と2打目に関して言えば、確実に飛距離を稼げるようになること。チョロやザックリ、トップ、そしてOBや池ポチャを減らし、
ティショットでは150ヤード以上
セカンドでは130ヤード以上
1打目、2打目の目的というのは、いかに「3打目をやさしく打てるか」のお膳立てをすることです。このお膳立てがちゃんとできていないと、3打目以降が不利な場所から打つことになり、スコアメイクが不安定になったり、1ホールで大叩きしてしまうのです。
ではどんなクラブを使えば、1打目、2打目で大きな失敗を繰り返すのを防ぎ、3打目を上手くお膳立てできるのか? 昨日は1打目のクラブに選びについて書いたので今日は2打目のクラブ選びについて書きます。

1打目(ティショット)においては確実に130ヤード以上飛ばせるようになること。グリーンまでの距離は関係ありません。200ヤード以上残っていても、確実に130ヤード先のフェアウェイやラフに運ぶことができれば、3打目がやさしくなるからです。そのためには、やさしいクラブ、致命的なミスが出づらいクラブを使って下さい。マーク金井的には、スコアメイクを第1に考えれば「ダフりづらいクラブ」を使うことが50切りの最大の近道です。50を切るのにはFWは必要ありません。2打目に距離を稼ぐクラブとしてお勧めしたいのはロフト24~26度のユーティリティ。そして、アイアンは7番からのセットで十分です。FW、ロフトが少ないUT、ロングアイアンを入れないで欲しいのは、これらのクラブは当たれば飛ぶ反面、打ち損じれば飛距離を大幅にロスしたり、池、OB、林に打ち込むリスクが高くなるからです。

どんなクラブが上の条件を満たすのかというと、UTに関してはヘッドが大きめで安心感があるクラブ。具体的には‥‥

スライサーにお勧めなUT

テーラーメイド  グローレ
キャロウェイ   Xホット

フッカーにお勧めなUT

テーラーメイド  初代ロケットボールズ
2代目ロケットボールズ
タイトリスト   913H

コブラのバフラーもやさしい

コブラのバフラーもやさしい

あたりをお勧めします。この場合もポイントはシャフト。純正シャフトだと軽い場合があるので70g台のカーボン、もしくは軽量スチール装着モデルを選んで下さい。アナライズでは70g台のUT専用シャフトをラインアップしていますが、このシャフトの特徴はミート率が良くなることと、しなりを感じやすくすることで、スイングに好影響が出ます。

アイアンに関しては、スライサー、フッカーに関係なくヘッドが大きめのキャビティ、そして一番大事なことはバンス角が多いモデルを選ぶことと、ライ角調整ができるクラブです。バンス角が大きいほどクラブがミスをカバーしてくれます。バンス角が大きいほどソールが滑り、ダフり気味に打っても飛距離を稼げるからです。ライ角調整にこだわるのは、ゴルファー1人1人で適正ライ角が異なるからです。具体的なモデルとしては‥‥

ピン       G25
タイトリスト   VG3
リンクス     SSアイアン

マーク金井もこの3本を使用中

マーク金井もこの3本を使用中

VG3は軟鉄鍛造で、G25とSSアイアンはステンレス鋳造。ステンレス鋳造はライ角調整できないと言われてますが、この2モデルに関してはライ角調整が可能になっています。そして、この3つのモデルともできるだけシャフトを重め、そして軟らかめがお勧め。重くて軟らかいシャフトの方が力まずスイングできる分だけミート率が良くなり、確実に飛距離を稼げます。アイアンに関してもアナライズでは70g台のカーボンシャフト、そしてもうすぐ80g台のカーボンシャフトがラインアップされます。そして、軽量スチールとカーボンで迷っているならばカーボンをお勧めします。カーボンの方が、構造上、しなりを感じやすく作られているからです。

重さがあって、しなりを感じるカーボンシャフトが理想

重さがあって、しなりを感じるカーボンシャフトが理想

ゴルフは3打目からが勝負所ですが、その勝負所を作るためには、1打目、2打目で死なないこと。50を切れないのならば50を切れる道具(クラブ)を使う。50を楽に切れるようになってから、顔がいいクラブ、格好いいクラブを使っても遅くないでしょう。ちなみに、ハーフコース振興協会の会員でもある塚田好宣プロは今年からピンのG25を使い、G25でツアー初優勝、G25で全米オープンに出場しています。そしてG25よりもやさしいのがリンクスのSSアイアンです~。

塚田プロはPING G25を使用。GDOより転載。撮影JJ田辺

塚田プロはPING G25を使用。GDOより転載。撮影JJ田辺

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2013年06月20日ハーフ50を切るために本当に必要なクラブとは!?

昨日のブログにも書きましたが、ハーフ50を切るコツ、ハーフ50を切る極意はナイスショットを打つことではなくて、致命的なミスショットを減らすことです。ティショットもセカンドはナイスショットは必要ありません。と言うよりは、ハーフ50を切れない人の場合、1打目とか2打目でナイスショットしてもスコアメイクに役立つことがほとんどないからです。

それよりも3打目、4打目でナイスショットが打てれば‥‥確実にスコアアップできます。まぐれでドライバーが250ヤード先のフェアウェイに運べるよりもまぐれでアプローチをOKの距離に付けたり、まぐれで10メートルのパットを1発で決めた方がスコアが良くなります。1ホールでナイスショットが1回だけ打てる権利があるとすれば、3打目以降でその権利を試行した方がスコアが良くなるのがゴルフです。ここをちゃんと理解し、3打目以降、すなわち100ヤード以内のアプローチショット、そしてパットの練習をしっかりやれば、スコアは飛躍的に良くなります。

そして、1打目と2打目に関して言えば確実に飛距離を稼げるようになること。チョロやザックリ、トップ、そしてOBや池ポチャを減らし、
ティショットでは150ヤード以上
セカンドでは130ヤード以上
前進できるショットを打つ。簡単過ぎて拍子抜けするかも知れませんが、ハーフ50以上叩く人は、この簡単なことが全然できていません。対して、ハンデが少ない人ほど、致命的なミスショットを打ちません。例えば、パーオン率で言えば、ハンデが少ない人ほどセカンドが乗っていない時、ボールはグリーンのすぐ近く、もしくはアプローチしやすい所にボールを運んでいます。対して、ハンデ多い人ほど、セカンドが乗らなかった時、3打目で100ヤード以上残っていたり、2打目も3打目も同じような所から打っていたりしています。

1打目、2打目の目的というのは、いかに「3打目をやさしく打てるか」のお膳立てをすることです。このお膳立てがちゃんとできていないと、3打目以降が不利な場所から打つことになり、スコアメイクが不安定になったり、1ホールで大叩きしてしまうのです。
ではどんなクラブを使えば、1打目、2打目で大きな失敗を繰り返すのを防ぎ、3打目を上手くお膳立てできるのか?

1打目(ティショット)においては死なないドライバーを使うこと。死なないというのは、チョロ、トップ、OB、林、池ポチャしづらくクラブのことです。
抽象的に言えば、やさしいクラブ、致命的なミスが出づらいクラブを使って下さい。具体的に言うと、クラブフィッターの鹿又芳典さんは自著「スコアアップできない原因の50%以上は間違いなくあなたのクラブです」(実業之日本社 本体762円+税)

978-4-408-45233-3

でこんな風に語っています。
ドライバーの役割とは「OBにならず、そこそこ運べる」です。「そんな曲がらないだけでのドライバーはつまらない。飛ばなくなるほと面白くない」という意見は至極ごもっとも。別に飛ばなくて良いとはいいません。飛ばないより飛ぶほうが、よりレベルの高いスコアを目指すことができるのは事実です。
ですが、ドライバー選びの第一義は、これ。言い換えれば「プレー中に死なない」ことです。この条件を満たした上で、より飛ぶモデル、スペックを探すというのが正しい順序です。「スコアアップできない原因の50%以上は間違いなくあなたのクラブです」(実業之日本社)から引用。

マーク金井的には、スコアメイクを第1に考えれば「飛ばないドライバー」を使うことが50切りの最大の近道です。3Wで刻むという考え方もありますが、50を切れない人にこのセッティングは勧められません。3Wはヘッドが小さいからです。今年の全米オープンでF・ミケルソンはドライバーをバッグから抜き、ドライバーぐらい飛ぶFW、「フランケンウッド」をティショットで使ってましたが、これはプロ、上級者向けのクラブセッティングです。

死なないドライバー=飛ばないドライバー

どんなドライバーが上の条件を満たすのかというと、スライサーならばスライスしづらいヘッドでスイートエリアが広いクラブ。そして長さは45インチ以下です。具体的なモデルとしては

ヨネックス iEZONE
テーラメイド グローレ
タイトリスト VG3

P1040097

この3モデルはスイートエリアも広く、そして捕まりが良いです。スライサーと相性が良いです。ただし、3つともクラブが長いのでリシャフトした方が、「死なないドライバー」になります。シャフト重量が60g台、硬さは軟らかめ、そして長さは44.5インチぐらい。この死なないドライバーを作るためにマーク金井は「W65」というシャフトを開発しました。
対して、フッカーの場合にお勧めしたいのは引っかかりづらくてスイートエリアが広いクラブ。こちらも長さは45インチ以下です。具体的なモデルは

PING  G20
G25
i20

Gシリーズもこの25からカチャカチャ式を採用~。

Gシリーズもこの25からカチャカチャ式を採用~。

PINGを勧めるのは重心距離と重心深度のバランスが良いから。重心距離が長いのでチーピンや引っかけが出づらく、そして3モデルともヘッドの挙動が安定しています。ただし、この3モデルともクラブが長くでシャフトが少し硬いです。こちらもアナライズオリジナルシャフト「W65」を44.5~45インチで装着すると、「死なないドライバー」として重宝します。

飛ぶドライバーは魅力的ですが、飛んでもOBが出てしまうとスコアメイクは絶対に望めません。50を切れないのならば50を切れる道具(クラブ)を使う。50を楽に切れるようになってから、飛ぶドライバーを使っても遅くないでしょう。
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人気のアナライズW65にはカラーバリエーションも豊富

こちらをチェック


2013年06月19日ハーフ50を切るために本当に必要なスキルとは!?

一昨日のブログにも書きましたが、プロであれアマチュアであれ、ほとんどのゴルファーはスコアカードと闘っています。目の前の1打に集中することがスコアメイクにつながることは分かっていても、「何とかパーオンしたい」「これを入れればパーで上がれる」「アプローチを寄せないとパーが取れない」等々、スコアカードの呪縛の中でゴルフをしています。

P1040094

では、どうすればこのスコアカードの呪いからゴルファーは解き放たれてプレーできるのか?

一番簡単なのはスコアカードを付けないことですが、これではゴルフの面白さが半減します。矛盾するようですが、ゴルフは数で優劣が決まるスポーツ。スコアをまったく無視してしまうと、ゴルフという競技が成り立たなくなります。
ゴルフで大事な事はスコアは意識しても、スコアに縛られないでプレーすることです。パーで上がらなくてはならない、ボギーで上がらなくてはらないと考えるのではなく、目の前の1打1打に集中し、集中した結果としてスコアを付けていくことです。そのためには、スコアカードに書いてある数字ではなくて、自分の腕前に見合った仮説(目標スコア)を立て、それを確実にクリアしていくことです。

例えば、何年やってもハーフ50が切れないアマチュアゴルファーがいたとしましょう。この人にとって目指すべきスコアは36ではなくて(パープレー)ではなくて、48とか49です。48とか49がパープレーとなる自分なりのスコアカードを作り。スコアカードよりも少ない数字を書けるようようにプレーすること。そしてスコアカードよりも少ない数字を書くために必要なスキルを身につけることです。その具体的なスキルとは‥‥

パー4の場合

ティショット

チョロ、OB、池ポチャをできるだけ打たないこと。飛距離は150ヤード以上

セカンド 

チョロ、ザックリを打たないで確実に前に進むこと。飛距離は130ヤード以上

3打目

チョロ、ザックリ、トップを打たないでグリーンに近づけること、もしくは乗せること飛距離は130ヤード以上

4打目 

確実にグリーン中央付近に乗せることグリーン乗せるのに必要な飛距離を打つこと

5打目

グリーン上で確実に1メートル以内にパットを打つこと

6打目

1メートル以内のパットを1発で決めること
ゴルフ雑誌には「100を切る」「50を切る」ためのレッスン企画が毎回のように紹介されていますが、ここまでシンプルなことを書いている企画は見たことがありません。理由は単純、当たり前過ぎて何の面白みもないからです。

そして何の面白みもありませんが、当たり前のことを積み重ねていくのがスコアメイクの本質。パー4でこれをすべて満たせばダボで上がれます。そして、グリーンに近い所で目標を上回るショットが打てれば、そのボーナスとしてボギーやパーで上がることも可能です。例えば、3打目でグリーンに乗るとか、4打目のパットが1発で決まるとか‥‥グリーンに遠い所でナイスショットを打ってもボーナスは得られませんが、グリーンに近い所でナイスショットを打てば確実にボーナスを得ることができます。

言い換えると、ティショットが250ヤード飛んでフェアウェイキープできても、セカンドがグリーンそばまで運ぶショットが打てることと、スコアメイクには何ら因果関係がありません。実際、皆さんも自分のプレーぶりを振り返ってみて下さい。ティショットが今日イチの当たりでも、そこからザックリしたりトップして大叩きしたことがあるはず。セカンドショットがかなり良くても、ロングパットの距離感が悪くて4パットした経験もあるはず‥‥そうです、少なくともハーフ45ぐらいで回るためには、1打目、2打目ではナイスショットは必要ありません。どちらも最低飛距離をクリアすること、そしてスイングしやすい場所(できるだけ平らなライ)にボールを運ぶことです。そして3打目以降にナイスショットを打つ回数が増えれば、それだけでスコアは飛躍的に良くなります。

何年やっても50が切れない人は、1打目、2打目でナイスショットとミスショットの差が激しいです。250ヤード飛ぶこともあれば、チョロを打ったり、OBを打っています。そして、100ヤード以内の3打目以降のショットでミスショットを打ってスコアを崩しているのです。ゴルフはナイスショットを打っても良いスコアが出るとは限りませんが、目標をクリアできないミスショットを打つと確実にスコアが悪くなります。

マーク金井はミスが出づらいやさしいウエッジとしてMSウエッジSSウエッジを作りましたが、これは致命的なミスを減らすことがスコアメイクにつながることを確信しているからです。そしてエクボサンドという風変わりなSWを作ったのは、1発でバンカーから脱出することがスコアメイクにつながると確信しているからです。
何年やっても50が切れないならば、まずはハーフ54のスコアカードを作ってプレーしてみましょう。そして54に対してどれだけスコアを縮められるかトライする。3打目以降にナイスショットを増せれば、確実に50を切れるようになるでしょう。

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PS.マーク金井がバンカー専用として開発したEKB58(エクボサンド)。ソール中央をエクボのように凹ませることでホームランのミスが出づらく、非力な女性にも扱いやすいサンドウエッジです~。


2013年06月18日常識として知っておきたいゴルフ雑誌の試打データ!!

先週、週刊パーゴルフが新装刊されました。サイズはB5のままですが、週刊誌のお約束である中綴じから平綴じに変りました。192ページなので中綴じでも作れるボリュームです。わざわざ平綴じにするほど分厚くありませんが、装丁を変えることで「変ったぞ」感はかなり出ています。そしてFBでもちょびっと書きましたが、紙のコストダウンが目立ちます。表紙回りの紙は薄くて頼りないですし、漫画「インパクト」も、紙が安っぽい感じになったのはちょっと残念です。

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紙面内容についてはレイアウト優先な感じがしました。昔のチョイスみたいな感じだなぁと思っていたら、グラフィックデザインは元、チョイスのアートデザインをしていた岡本一宣さんだそうです(多分)。レイアウトはシンプルで見やすくなりましたが、反面、雑誌ならではの猥雑な感じ、カオス的な感じがかなり薄れています。そしてなぜか縦組なのに、タイトルや見出しに横組みが多いのもちょっと違和感を覚えました。

そんな週刊パーゴルフですが、マーク金井が注目したのが試打企画。「ショップ店員が進める、高直進性能ドライバーベスト5」
アンサーフリークさんこと遠藤仁志さんと、大本研太郎プロの2人が弾道計測器GC2を使って室内試打してます。ボールはタイトリストV1。ヘッドスピードは44m/s前後。テスト方法がちゃんと明記されているので、試打データが読み取りやすくなっています。データ的には

ボール初速
打ち出し角
打ち出し方向
サイドスピン
バックスピン
最大高さ
キャリー飛距離
トータル飛距離
左右ブレ

かなり細かくデータが出ています。これだけで出ていると多面的にクラブの性能、そしてテスター(試打者)の傾向が分かります。この企画で言うと、遠藤さんは総じて打ち出し角が高く、スピンが多め。最大高さも高めです。対して、大本さんは総じて打ち出し角が低く、スピンも少なめ。最大高さも低めでした(遠藤さんと比べて)。

計測結果は計測器によって偏りがあります。ですのでこのような試打企画では相対的に数値を見なくてはいけません。単にスピン量が3500回転だから多いとか、キャリーが250ヤード出たから飛ぶと見てもクラブの正体を見極められません。それぞれの数値を比較してスピンが多いのか少ないのかを見たり、飛距離をチェックすることが大事です。

そして、もうひとつ大事なことはクラブのスペックと数値の比較。例えば、打ち出し角が高いドライバーがあったとしましょう。この場合、クラブのロフトで打ち出し角が高いのか、テスターの打ち方で打ち出し角が高いのかを知っておかないと計測データを正しく読み取ることが難しくなります。

例えばこのパーゴルフの試打で言えば、ヤマハのインプレスRMXのデータ。
試打クラブの表示ロフトは10度ですが‥‥2人の打ち出し角がかなり異なります。

遠藤さんの打ち出し角   14.1度
大本プロの打ち出し角    8.1度
こんな数値を見てしまうと、RMXのリアルロフト(実際のロフト)がすごく気になります。ドライバーの多くは表示ロフトとリアルロフトに少なからずギャップがあるからです。

にも関わらず、この試打企画ではリアルロフトの表記がありません。重心距離、重心深度、重心高さの表記もないので、弾道結果をアナライズ(分析)することが非常に難しいです。加えて、同じドライバーで打ち出し角が6度も異なってしまうと‥‥試打データだけでクラブをアナライズするならば、ヤマハのインプレスRMXはインパクトゾーンでのヘッド挙動がかなり「トリッキー」だということになってしまいます。

マーク金井もGDOをはじめ、色々なゴルフ雑誌で試打していますが、クラブの実測値(リアルロフト、重心距離、重心深度、重心高さ)については必ず名言しています。紙面上、数値を出せない時もありますが、その時はコメントでリアルロフトが「多い、少ない」については言及しています。そこが曖昧になってしまうと、試打データをちゃんと読み取ることができないからです。

試打結果を数値として紙面に載せるのならば、クラブの計測値も紙面にちゃんと出した方がクラブをちゃんとアナライズ(分析)できます。マーク金井はスペックおたくな所も多々ありますが、これは皆さんにも常識として知っていただきたいことです~。
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PS.クラブが合っているかどうかを知るには、クラブのスペック計測は必要不可欠。アナライズのクラブ診断、マーク金井のクラブ&スイング診断では、現在使っているクラブを計測してからクラブ選びをアドバイスしています~。

フェース角を計測する(計測器は50万弱します)

クラブの計測は、ちゃんとした計測器が必要です


2013年06月17日ゴルフはスコアカードとの闘いなのかも知れない‥‥

4つのメジャー競技の中でももっとも過酷だと言われている全米オープン。今年のメリオンもコースセッティングは非常にタフで、世界の一流どころが平気でダボやトリプルボギーを叩き、スコアメイクに苦しみました。その苦しみの中で勝利を勝ち得たのはイングランドのJ・ローズF・ミケルソンは今回も後一歩で優勝に届かず、6度目の2位でした。日本勢では松山英樹が最終日に3アンダーのベストスコアをマーク。10位に入って来年の出場権を手に入れました。
さて、この全米オープン

優勝したジャスティン・ローズ!GDOより転載

優勝したジャスティン・ローズ!GDOより転載

GDOより転載。撮影はJJ田辺(いつもTwitter見てます)

GDOより転載。撮影はJJ田辺(いつもTwitter見てます)

テレビで観ていても難易度の高さが伝わってきます。狭められたフェアウェイ、いくつもの種類の芝が交じり合ったラフ、傾斜の激しい高速グリーン。下りは触っただけでもグリーンから出てしまうほど。上りと下りの速さがあまりにも違います。131個のバンカーは配置が絶妙で、視覚的なプレッシャーだけでなくミスショットを容赦なく待ち受けていました。今年も世界最難関のセッティングに仕上げられてましたが、USGAはもうひとつプレーヤーに罠を仕掛けているような気がしました。
メリオンはパー70で設定されていますが、500ヤードを越えるパー4が2つあります。通常500ヤードを越えてくればパー5なのですが、それをわざとパー4にしています。ツアープロの飛距離ならば2オン可能とはいえ、これはかなり厳しい設定です。特に18番は521ヤードでパー5。ティショットを300ヤード飛ばしても、2打目で221ヤードも残ります(ピン位置によって距離は前後します)。恐らく、米ツアーでもこんなタフなパー設定は少ないはずです。
そこにUSGAの作為というか罠というのを強く感じます。

course

全米オープン会場のメリオンのヤーデージ

521ヤードでパー5
521ヤードでパー4

どちらも距離は同じですが、プレーヤーが感じる難易度はガラッと変ります。パー5ならばやさしいホールになりますが、パー4ならば数字を見ただけで難しいホールです。ティグラウンドに上がればその差は歴然です。全米オープン史上3番目に長いパー4。ティグラウンドに上がればグリーンははるか彼方。パー5であればティショットの距離にこだわらなくても良いですが、パー4となれば、ツアープロであっても1ヤードでも遠くに飛ばしたくなるもの。パー4だと最初から3オンを狙う選択肢を持ちづらいからです。言い換えると、パー4になった途端、ツアープロであっても2オンの呪縛、2オンの呪いが無意識に掛かっているような気がしてなりません。

そして2オンが前提になればティショットを1ヤードでも遠くに飛ばしたくなり、それが無意識の力みにつながる‥‥パーの設定が5であればこんな素人じみた仮説は成り立ちませんが、パー4の設定ならばこの仮説はかなりの信憑性があるのではないでしょうか。

メリオンの18番521ヤードのPAR4 最終日のアベレージスコアは4.68

メリオンの18番521ヤードのPAR4 最終日のアベレージスコアは4.68

ちなみに、国内ツアーでもダンロップフェニックスの10番はパー5からパー4になってからの方が選手がスコアメイクに苦労しています。500ヤードちょっとのパー5の時よりも475ヤードのパー4になってからの方が、平均スコアが悪くなっている年もあるのです。実際、フェニックスに出場した選手に聞いてみても‥‥パー4になった途端、ティショットをミスしても強引に2オンを狙ってしまう、1ヤードでもグリーンに近づけたくなると言ってました。
ゴルフは自然との闘い、コースとの闘いと言われています。実際、全米オープンを観ているとその感じがテレビ画面からでもひしひしと伝わってきますが、同時に、プレーヤーはスコアカードに書かれたパーの数字とも闘っている気がしてなりません。目の前の1打に集中すればいいとは分かっていても、「パーで上がりたい」「ボギーを叩きたくない」ということも同時に考えながらプレーしているような気がしてなりません。

解説の丸山プロは「このコースはボギーが出るのはしょうがないから、1つでも2つでもバーディーを取っておきたい」と言ってましたが、まさに、これがプロの本音でしょう。自分でスコアを設定しなくてはプレーの戦略を立てられないのがゴルフですが、設定した瞬間、プレーヤーは自分の設定したスコアに縛られてしまう‥‥「パーで上がらなくてはならない」と思った瞬間、プロであってもスコアカードの数字と闘うことになるのです。

メンタルコーチのP.ニールソンは54ビジョンというのを提唱しています。すべてのホールをバーディで上がりましょうという考え方ですが、逆の考え方をするならば45ビジョンもありでしょう。すべてのホールでボギーがパーという仮説を立てて、すべてのホールをバーディ-(本当はパー)を狙う。全ホールでバーディーを取れば36になるという考え方です。

36を目標して36を出すのがやさしいのか?
それとも45を目標にして36を出すのがやさしいのか?

ゴルファーのタイプによっても異なると思いますが、後者の方がスコアカードの呪いにかかりづらいような気がします。次のラウンドではパー45に設定して、一体いくつバーディーが取れるのか、一体いくつイーグルが捕れるのかを試してみたいと思います~。

 

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PS.クラブが合っているかどうかを知るには、クラブのスペック計測は必要不可欠。アナライズのクラブ診断、マーク金井のクラブ&スイング診断では、現在使っているクラブを計測してからクラブ選びをアドバイスしています~。